不平等な男女間賃金

不平等な男女間賃金
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誠実が報われない例を知りたければ、タクルガオン(Thakurgaon)やポンチョゴラ(Panchagarh)の農場を訪れてみるといい。仕事熱心で知られる女性労働者たちは一貫して、男性同僚よりも少ない賃金しか支払われない。

「私たちはより少ない賃金で働かなければなりません。そうでなければ地主は私たちに仕事をくれません」
タクルガオン県サダル(Thakurgaon Sadar)郡ボカンタプール(Bokanthapur)出身の農場労働者ロソダ バラさん(35)は話す。

「他の選択肢はありません」
ポンチョゴラ県ボダ(Boda)郡シャコヤ シャハパラ(Shakoya Shahapara)村のマレカ ベグムさん(50)も同意した。
「低賃金労働は農村部で生きるための問題です。賃金交渉のため、1日か2日仕事を休んだなら、家族はその間十分な食事が食べられないか、全く食事ができません。農場の仕事は家族に食事を用意するために必要なのです」

同じくボカンタプール村出身のノミタ バラさん(30)を取り巻く状況は典型的だ。バラさんはデイリースターに対し、アマン米農地で一日作業した収入は160タカ(205円)で、直近3日間はずっと同じ金額だと答えた。

現在ジュートやアマン米栽培がとくに盛んなタクルガオン県やポンチョゴラ県では、農場労働者の半数以上が女性だが、通常の日給は150~180タカ(192~231円)だ。一方、男性は同じ仕事で250~300タカ(257~385円)を稼ぐ。

ポンチョゴラ県ボダ郡出身の地主ラムジャン アリさんに女性の低賃金について尋ねたら、彼はそれぞれの生産性に関係すると答えた。
「女性は仕事熱心ですが、男性ほど肉体労働を提供できません。ですから、女性の賃金は低いのです」
これは賃金不平等を擁護するためのありがちな"神話"だ。実際は女性農場労働者の生産力は男性と同等だ。

2015年、食糧・災害対策省の食糧計画・監視部は報告書"国家の食糧政策と労働計画、国内における投資計画の観測"を発表した。報告書では男女間の賃金差別は継続しているが、近年その程度は10%減少したという。

報告書によると一般的な男性労働者は一日の賃金で平均9キロの玄米を買うことができるが、女性の賃金は玄米6キロ分にしかならないという。

「女性は農業部門において多大な貢献をしています。しかし賃金での差別や長い労働時間、その他の様々な不利な条件に苦しんでいます」
エコ・ソーシャル・デベロップメントの幹部ムハマド シャヒド ウズ ザマン氏はいう。

政府は賃金ガイドラインを設けているものの、遵守や適切な監視がなされていないとザマン氏。適切な監視があれば女性が家の外で仕事を行い、家族はより豊かになるとザマン氏は考えている。

タクルガオン農業普及局のアルシェド アリ副局長は、農業部門で女性の参加率に関する統計が一切手に入らないという。だがアリ副局長は農業部門に従事する女性は、県レベルで15万人は下らないだろうと見ている。
「女性の農業における抜きんでた貢献を認め、女性に対する差別を防止するために踏み出すべきです」

皮肉なことにこの勤勉さゆえ、女性の農場労働者は男性よりも求められる傾向にある。だが他の職が少ないために労働力の売り込み交渉で弱気になり、地主に不公平な賃金を提示させているかもしれない。

The Daily Star Aug 15 2016
http://www.thedailystar.net/country/women-labourers-face-wage-disparity-1269955
翻訳:長谷川

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