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アジア開発銀行(ADB)は昨日、バングラデシュの2015-16会計年度の経済成長を7.1%と見積もった。これは政府の見積もりよりも高い数字だ。
バングラデシュ統計局は同年度の経済成長を7.05%と予測した一方、ADBの従来予測は6.7%だった。
「輸出の復調と継続的な国内消費に後押しされ、2016会計年度の成長は予測を上回りました」
ADBは"アジア開発展望2016改訂版"(Asian Development Outlook 2016 Update)で発表した。
報告書によると、民間部門の高い給与が送金減少を相殺しており、消費は成長に対する頼みの綱であり続けているという。
統計的な食い違いはいくらかあるものの、純輸出が成長に貢献しているとADBは言う。
しかしADBは現会計年度について、バングラデシュの国内総生産(GDP)成長を6.9%と予測している。これは従来の予測と同様だ。
政府による現会計年度のGDP成長予測は7.2%だ。
「第7時5ヶ年計画の成長目標を達成するため、優先すべきインフラプロジェクトの時宜を得た完成が不可欠です」
ADBはいう。
だがGDPの成長予測は、民間投資の継続的な拡大や主要なインフラプロジェクトの適時実施、継続的な政治安定といったいくつかの前提条件に依存している。
報告書では、2016-17会計年度の農業成長は2.4%に抑えられると予測している。国内の低い米価の影響で農家は農地の拡大をためらっているためだ。
国内の強い需要や電力供給改善、輸送のボトルネック緩和により、産業成長は10.2%に上昇すると推測されている。
サービス部門の成長は農業や貿易、輸送、行政の拡大がさらに抑えられたことで、6.3%に低下すると思われる。
報告書は消費成長も公共や民間の給与上昇や、消費者金融へ継続したアクセス性により、拡大が見込まれるとする。
近い将来の送金の増加は見込めそうにないが、バングラデシュから輸出される低価格の衣料品やファストファッション製品への継続的な需要で、輸出や雇用の健全成長が期待される。
政治的安定継続の予測に伴い、2017会計年度には民間投資の好転が始まると期待される。
大きな"触媒"の1つは、ビジネス費用の削減につながる公共部門のエネルギーや輸送プロジェクトの完成だ。
2016年7月に委託されたダッカ(Dhaka)-チッタゴン(Chittagong)間、ダッカ-マイメンシン(Mymensingh)間の4車線幹線道路は、時間や輸送費用を節約し、よりタイムリーな輸出を可能とするだろう。
さらに政府はエネルギーや輸送部門で大規模なインフラプロジェクトを急速に進めており、ビジネス活動の促進につながっているとADBはいう。
民間運営を含む経済特区の開発で、民間投資にはさらに勢いが付くだろう。
2017年度の予算ではより大規模な年次開発計画に資金を融通し、収入をGDPの12.4%相当まで引き上げることを目標にしている。
公共部門の給与引き上げや、主に農業や社会福祉に対する補助金のある程度の拡大で、通貨支出はGDPの9.6%相当にまで成長するだろう。
2016年7月に予定されていた付加価値税(VAT)新法の実施は2017年7月まで延期された。民間が会計システムに対応するための時間を用意するとともに、小規模ビジネスへの普及と教育を拡大するためだ。2017会計年度の増収のための新税制は、富裕税の税率引き上げ、法人税の下限引き上げ、卸や小売り商人の税制度への組み入れによる現行のVAT基盤の拡大が組み込まれた。
2017会計年度の輸出成長の修正予測は7%であり、主要な織物市場である米国やユーロ圏では、アジア開発展望2016で予測されたよりも成長が緩やかだったことが反映されている。2017会計年度の輸入額の成長は8%に修正された。2016会計年度には国内生産の拡大が輸入の一部にとって代わり、輸入の拡大が緩やかになったことを考慮している。
資本機械の輸入は投資の拡大を受けて好調になると予測されている。原料需要の反動や原油価格の上昇予測が考慮されてのものだ。原油の低価格環境が継続した場合、2017会計年度の送金流入額は3%減少すると思われる。クウェートやオマーン、サウジアラビアによる送金に対する税金の賦課は、更なる後退につながるだろう。それにもかかわらず、現在の収支計算書は2017会計年度、GDPの1%に相当する黒字を記録すると見込まれている。
The Daily Star Sep 28 2016
http://www.thedailystar.net/business/adb-revises-growth-forecast-bangladesh-1290661
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #GDP #アジア開発銀行
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