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以前マグラ(Magura)に住む経済的に追い詰められた446人の漁師とその家族の生活は、希望の無いものだった。サダール(Magura Sadar)郡、モハマドプール(Mohammadpur)郡、シャリカ(Shalikha)郡では水域が地元有力者に支配されており、伝統的な漁業コミュニティには漁をする場所はなかった。だが非政府組織(NGO)"ボランティアのための農村組織(ROVA)"のお陰で、マグラの漁師たちの将来は明るくなった。
「特に漁ができない乾季の間は、私たちは食事抜きかあるいは中途半端な食事で日々を過ごしていました。今では私たちに困難はありません」
サダール郡アクシ(Akshi)村のサンジョイ ビスワスさんはいう。
「私たちの貧困は終わりました」
シャリカ郡ブナガティ(Bunagati)村のビジョイ ビスワスさんは同意する。
2013年、ROVAがマヌシェール ジョンノ財団から資金提供を受け、特に地元水域へのアクセスに関して漁師たちを支援するプロジェクトを立ち上げたことで変化が訪れた。政府が水域の賃貸の入札を募っても、漁師たちは貧困のために競争入札に必要な資金を用意することができなかったことがこれまでの問題だった。
Bijoy Biwas of Kuchia Mora village under Sadar upazila sewing clothes. Photo: Star
ROVAは漁師たちを協同組合に編成し、水域入札目的で無金利貸し付けを許可した。その後漁師たちはアルクディアバオールやゴーペバオール、ランプルタンクなどの水域を賃借することができた。
アルクディアの賃貸は45人の漁師組合と20万タカ(25万6600円)の貸し付け支援によって確保され、これにより関係する家族は経済的な支払い能力を回復した。貸し付けの半分は既に返済されている。
一方ランプルタンクでは、賃借を確保するために35人の漁師がブナガティ協同組合を結成し、50万タカ(64万1600円)の貸し付け支援を得た。こちらも同様に収益をもたらしており、貸し付けのうち30万タカは既に返済されている。ビジョイさんはこれに関わっている漁師の1人だ。
「ランプルタンクの賃借権獲得は私たちの生活を変えました」
さらに春や夏の間の水面低下による問題に対処するため、ROVAは一部の漁師に他の収益活動を行わせる。例えば32家族にはミシンを提供し、25家族には牧畜飼育を行わせた。
「牛乳の販売で、1日に150タカ(192円)を稼ぐことができます」
サンジョイさんはこのプロジェクトで1頭の牛を手に入れた。
ROVAによるこの活動は教育成果の改善も目標としている。わずか数年前、中等学校や高等学校の資格証明試験の受験生の多くは受験料を払うことができず、その試験を終えることができなかった。現在はプロジェクト基金により、145人の生徒が一般的支援を受け、34人の生徒の受験料を賄ってきた。
「プロジェクトの支援が無ければ、今年の中等学校資格証明試験には合格できませんでした。高等教育を受ける支援も約束されたので、私の人生には大きく楽観性が生まれました」
受給者のミタリー ジョアルデールさんはいう。
プロジェクトでは個人授業を受けられない漁師の家族のため、12ヶ所の学習センターを開設し、5年生から10年生の180人の生徒に無料で授業を行っている。
「父には私に家庭教師を付ける余裕がありませんでした。学習センターが無ければ初等教育証明試験でA+の成績は達成できませんでした」
シャリカ郡ティオルカリ(Tiorkhali)村のサティ ビスワスさんはいう。
「漁師は社会に大きく貢献しています」
ROVAのカジ カムルッザマン事務局長はいう。
「彼らは基本的な権利を奪われていたので、我々は彼らの経済状況を改善するという挑戦に乗り出しました。プロジェクトをもう5年間続けられれば、マグラの漁師全員に継続的な支払能力が生まれるはずです」
マグラ県漁業職員のチャンドラ シェコール ナンディ氏は、ROVAの活動が漁師やその家族の生活に特筆すべき変化をもたらしたということを認めた。
The Daily Star Sep 28 2016
http://www.thedailystar.net/country/poor-fishermen-no-more-poor-1290718
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #漁師 #貧困
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