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余剰の太陽エネルギーを近隣に販売して収入を得るバングラデシュの草分け的プロジェクトが、国連気候変動賞を受賞した13団体のうちの1つだと発表された。
ソルシェアの革新的な技術ソリューションにより、太陽光発電装置を買う余裕がない家庭が、近隣から低価格でクリーンな電力を買えるようになる。昨日の記者会見で発表された。
これにより、より高価で屋内汚染や温室効果ガス汚染の原因となる灯油に取って代わることができる。家庭用の太陽光発電装置を手に入れるため必要となる、高額な頭金を筆頭とした金銭的な障壁も緩和され、銀行の融資を受けられない人々にクリーンエネルギーがもたらされる。
MEソルシェアは有限会社マイクロエネルギーインターナショナルのドイツ-バングラデシュ部門のスピンオフとして2014年に設立され、バングラデシュのショリオトプール(Shariatpur)で首尾よく世界初のスウォームグリッド(*)の先駆けとなった。
ショリオトプールのスウォームグリッドは初めて実施された群衆電化だ。ベルリン技術大学の支援を得て研究を行い、マイクロエネルギーインターナショナルによって概念が作られた。
群衆電化では個人の孤立したエネルギーシステムを繋ぎ合わせ、最終的には従来の社会基盤と相互接続される小規模な送電網を形成することで、分散型ボトムアップ式の社会基盤共有システムを提案した。
MEソルシェアは、実施パートナーのNGOウボムス、財務パートナーの社会基盤開発株式会社(IDCOL)、研究パートナーのユナイテッド国際大学エネルギー研究センターと共に、より多くの農村家庭が低価格で再生可能エネルギーにアクセスできるように家庭用太陽光発電システムを統合し、小規模送電網を中心化した。
「バングラデシュは気候変動に最も脆弱な国の一つですが、この国の人々はそういった困難に対して驚くべき回復力と革新性の例を提示しています」
MEソルシェアの代表取締役、セバスティアン グロー氏は話す。
「MEソルシェアの大胆なアイデアが、人々のエネルギーの使い方や支払い方に変化をもたらす"変化の契機となる灯台的活動(Momentum for Change Lighthouse Activity)"として選ばれたことをとても光栄に思います。MEソルシェアは太陽光ネットワークを創り、電気を共有し、バングラデシュや世界中で低炭素の未来を促進していきます」
MEソルシェアはバングラデシュで家庭用太陽光発電システムが既に400万以上設置されていることに基づき、2030年末までには1万ヶ所以上で小規模送電網の運営を見込んでいる。これにより、国内の100万人以上のエンドユーザーに太陽エネルギーが供給される。
"変化のための契機"活動は国連気候変動事務局が推進しており、人々が気候変動に対処するため行う事のうち、最も革新的で拡張性があり模倣可能な例の幾つかに光を当てる。
「これほど多くの独創的な気候変動対策を見られるのは素晴らしいことです」
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)スポークスマンのニック ナトール氏は話す。
「MEソルシェアは、気候対策活動があらゆる国や地域、企業や都市で取り組まれているという証明です。受賞した活動は気候変動対策に取り組むだけではなく、技術革新や性平等、経済成長といった他の多くの持続可能な開発目標に向けて前進する助けにもなっています」
ソルシェアのプロジェクトは"変化のための契機"情報通信技術(ICT)部門で、気候変動との闘いの中でICTの力を利用し、地域社会に利益を与え、他国の模範となるとして表彰された。
ソルシェアのプロジェクトは他の受賞プロジェクト共に、2016年11月7日、18日、モロッコのマラケシュで開催される国連気候変動会議の一連の特別行事で展示されることになる。
2016年の灯台的活動は気候変動事務局による"変化のための契機"活動の一環として、国際的な諮問委員会によって選出された。この活動は"世界経済フォーラム・気候変動に関する国際プロジェクト"、"グローバルeサステナビリティイニシアチブ"と共同で運営されている。
The Daily Star Sep 30 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/bangladesh-based-solar-project-wins-un-prize-1292047
翻訳:長谷川
(*)情報通信技術により可能となった、農村部家庭向けの電力取引ネットワーク
#バングラデシュ #ニュース #太陽光発電 #クリーンエネルギー
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