中国、244億ドルを支援

中国、244億ドルを支援
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両国の経済関係を新たな段階に進めるため、中国はバングラデシュの34のプロジェクトやプログラムに対し、2国間支援として244億5千万ドル(2兆3380億円)を提供する。

バングラデシュが受ける2国間財政支援としては独立以来最大で、バングラデシュによる社会基盤(インフラ)の更なる開発支援を狙いとする。

両国は昨日、投資強化と製造能力提携を行う旨の覚書に署名した。

バングラデシュ経済関連局(ERD)によると、覚書にはダッカが北京から215億ドルの財政支援を受ける28プロジェクトの一覧が盛り込まれたという。

だが両国は覚書や合意の枠組み、昨日締結された借款協定についての詳細は明かさなかった。

外務省のムド シャヒドゥル ホク次官は記者団に対し、両国間で27の協定と了解覚書が調印されたと話した。

昨夜両国は共同発表を行ったが、資金提供協定の詳細には一切触れなかった。

ERDの匿名希望の職員によると、投資強化や製造能力提携についての覚書には28プロジェクトの一覧が盛り込まれたが、中国からの資金提供額は触れられていないという。

この覚書以外に両国は4億6400万ドル(483億円)の2件の借款協定に調印し、それとは別にポトゥアカリ(Patuakhali)のパイラ港近辺に建設される石炭火力発電所に対し、中国から19億ドル(1980億円)が提供されることになっている。

さらに3つの提携プログラムの下、北京から財政支援として5億8300万ドル(607億円)が提供される。

覚書草案によると、両国の協議次第ではさらに多くのプロジェクトが盛り込まれるとする。

一部のプロジェクトは既に、国家経済会議実行委員会(ECNEC)や経済に関する内閣委員会の承認を受けた。

覚書草案によると両国は、企業や組織に対し、インフラ建設やエネルギーや電力、輸送、通信、経済区、産業区等の設立といった分野で協力を進める。

また"直接・間接投資"、"インフラの建設、運営、計画、設計、供給、建設、運営、技術面での協力"、"経済区や産業区、サイエンスパーク、加工区、開発区、経済特区の建設"、"技術の伝達・移転"、"人的交流・研修"、"労働サービスの提携"といった内容の協力的アプローチがあるとする。

必要があれば両国は、投資や製造能力提携に関する中長期の開発計画を共同で策定し、覚書で言及する重要プロジェクトの一覧を修正する。

覚書によれば、バングラデシュは中国からの譲歩的資金提供で支援されるプロジェクトについて、国内の現行法や中国の関連政策に従って中国企業を選択することになるという。

資金供与を適切に実施するため、バングラデシュERDと中国の対外投資・経済協力局が共同で取り組む。さらに必要があれば、問題解決のための会合を時折開催するという。

ERD職員によると了解覚書の有効期間は2年間で、どちらか一方が相手側に対し、満了日の6ヶ月前までに契約を終了する旨の書面を送らない限り、自動的に2年間延長になるという。

双方の希望があれば、覚書の有効期間をさらに延長することも可能だ。

両国はさらに、1億8400万ドル(191億円)の借款による中国船舶6隻の購入と、2億8千万ドル(291億円)の借款によるダシェルカンディ水処理工場設置の2プロジェクトに対する借款枠組み協定も締結した。

水処理工場は、ハティールジール(Hatirjheel)地区とその近隣地区に向け、バル川の水を処理する。

さらに中国は、パイラ港近辺の1320メガワットの石炭発電所の建設に19億ドル(1,980億円)提供する。この取引はシェイク ハシナ首相が2014年に中国を訪問した際に調印された覚書の集大成だ。バングラデシュ当局は発電所建設の用地を取得中だ。

また両国は3つの協力的協定も締結した。

この協定により、バングラデシュは"災害対策センター・情報プラットフォーム"への助成金として8300万ドル(86億4千万円)を受け取ることになる。

協定にはオートバイ1千台の購入が盛り込まれた。オートバイは都市部の狭い道路でも素早く動けるため、消防隊が迅速に活動できるようになる。

ERD職員によれば、中国政府は2番目の協定に基づき、防災や減災を目的とした特別支援プロジェクトの下、2016年から2020年にかけて5億ドル(521億円)を提供するという。

この資金は緊急対策センターや緊急避難所の建設、政府職員や技術者、委員会メンバーの研修に使われる。

3番目の協定は、中国資金で建設される3つの橋の実現可能性調査の実施を目的とする。

1975年の国交樹立後、中国はバングラデシュに対し8つの橋の建設に資金を提供してきた。

ここ数年で両国の経済関係はさらに深まった。

中国政府のデータによれば、中国は現在バングラデシュにとって最大の貿易パートナーであり、バングラデシュは中国にとって南アジアで3番目の貿易パートナーであるという。

またバングラデシュは中国にとり、南アジアで3番目のプロジェクト契約市場でもある。

2015年、両国間取引額は147億ドル(1兆5300億円)に達した。これは昨年より17%増加した。

The Daily Star Oct 15 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/2445b-deals-1298929

翻訳:長谷川
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