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ある人はそれを"ミニSaarcサミット"と呼ぶかもしれない。地域連合の8加盟国のうち5ヶ国のトップが、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)-BIMSTEC(ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブ)アウトリーチ会合のためインドのゴアに集まり、対テロを話し合い、接続可能性に焦点を当てたからだ。
「BIMSTECは熱心に接続可能性に焦点を合わせてきました。デジタル面の接続可能性はインドと特に関連しているので、喜んで先頭に立つでしょう」
インド外務大臣は、インド首相のBIMSTEC指導者達との会合の言葉を引用してツイートした。
「技術はすき間を埋め、コミュニティを繋ぎます。さらに私達の日常生活に様々な違いをもたらしてくれます」
会合の議長を務めたモディ首相は話した。
インド首相の強い強調姿勢の呼びかけに応じ、モディ首相と他数名の指導者がパキスタンとの関連を匂わせつつ、"南アジアのテロリズムの温床"に対し、テロリズム反対声明をだした。
インドがパキスタンを拠点にするテロ組織ジェイシモハメドによるものと見る9月18日のウリ攻撃後、国際コミュニティでパキスタンを孤立させるための外交攻勢が進行する中、インドはアウトリーチ会合を開催した。
BIMSTEC7ヶ国のうち、インド、バングラデシュ、ブータン、ネパール、スリランカはSaarc加盟国だ。BIMSTECの他のメンバー2ヶ国はミャンマーとタイだ。
SaarcはさらにBIMSTECの加盟国ではないアフガニスタン、モルディブ、パキスタンを含む。そのうちのアフガニスタンとモルディブはインドと友好的なことで知られている。
新聞社や通信社の報告によると、BIMSTEC指導者達はBRICSの政府トップとの簡略的な会談後一堂に会し、死にかけの地域連携を強化する策を話し合った。
中国やロシア、インドのような台頭する大国の力を見せつけた2日間のBRICSゴアサミットは、習近平やウラジミール プーチン、ナレンドラ モディの参加で世界的な関心を集めた。
だが南アジア諸国にとり、アウトリーチ会合は別の理由で重要だった。ほとんど機能しないSaarcから焦点を移し、BIMSTECを強化するため、会合はインドが計画した。この計画はパキスタンを除いた新しいグループを作ることが狙いだ。
Saarcサミットは11月にイスラマバードで予定されていた。だが18人のインド兵士が殺されたウリ攻撃事件が、インドとパキスタンという2つの核保有国の緊張関係を高めた。
攻撃直後、パキスタンを世界で孤立させるための外交攻勢として、インドはイスラマバードのSaarcサミットへの参加を中止した。バングラデシュ、アフガニスタン、ブータンも異なる理由でインドと同じ決断をした。
バングラデシュは、パキスタンの国境をまたぐ犯罪や干渉への関与疑惑のため、イスラマバードでのサミットの参加を取りやめた。
彼らの拒否により、Saarcサミットは無期限の延期となった。
以来インドはパキスタンを除いた地域連携強化のために動き、1997年に設立したBIMSTEC(ベンガル湾他分野技術経済協力イニシアティブ)を活発化させることを決めた。
「イスラマバードのSaarcサミットから手を引くことで、政府は2つの目的を達成しようとしている。ウリ攻撃を受けて強い声明を送るだけでなく、'パキスタン抜きのSaarc'の計画を進めようとしている」
9月29日、インドの英語紙ザ・ヒンドゥーは報じた。
BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)サミットの主催国の通例で、インドは近隣諸国をアウトリーチサミットに招待することができた。
インドはパキスタンを地域連携から締め出すため、BIMSTECアウトリーチを選んだ。
「インドはBIMSTEC地域連携の指導者達をアウトリーチ会合に招待するため、BRICS規則に則り、主催国特権を使った」
インドの英語紙デカンクロニクルは金曜日に報じた。
報道によると、ナレンドラ モディ首相は金曜日、地域連合BIMSTECとしてのBRICSアウトリーチ会合を"重要"だと表現したという。インドがBIMSTECを、インド-パキスタン間の緊張状態のせいで身動きがとれず機能不全になっているSaarcの代わりとして見ているのではないかという推測が膨らむきっかけとなった。
アウトリーチ会合でナレンドラ モディ首相は、BIMSTEC各国のトップとそれぞれ会談を行い、共同で動くことを確認した。
<対テロ宣言>
BIMSTECの指導者達との会談でモディ首相は、パキスタンへの痛烈な攻撃に乗り出した。パキスタンの名を出さずにモディ首相は、インドが外交で隣国を孤立にますます追いやることで、その国はテロの寵児になると話した。
「インドの近隣にあるこの国はテロリズムを擁護し、放出している。テロリズムはその国の寵児となり、親の性質や本質を明らかにした」
NDTVはモディ首相の発言を引用した。
パキスタンを孤立させるため、この声明を強調したインド首相は「恐怖を躾けた彼らは行いを改めるよう、はっきりとしたメッセージを送られるか、文明社会で孤立するはずである」と話したとNDTVは報じた。
AFPによれば、モディ首相はさらに「テロリズムの温床は悲劇的だが、インドの近隣のある国だ」と話したという。
シェイク ハシナ首相は演説でBIMSTECの指導者達に、テロリズムを負かすため、テロリストの助言者や指導者、扇動者、資金源、供給者、訓練者、また過激主義者を捜し出すよう促したとUNBは報じた。
スリランカのマイトリーパーラ シリセーナ大統領はアウトリーチサミットで、この地域の平和や安定は経済の繁栄にとって重要な要素であると話した。
「我々はあらゆる手段のテロリズムを断固非難します」
ミャンマーのアウンサンスーチー外務大臣は、テロリズムの台頭は共通の悩みの種だと話した。
「私達は共にあらゆる形の暴力的な過激主義に立ち向かう必要があります」
「私達は遠い出来事ではないウリでのテロを悼み、インド人へ共感を寄せています」
アウンサンスーチー外務大臣は補足した。
<接続可能性への焦点>
インドのモディ首相はBRICSとBIMSTECは違う経緯で形作られ、加盟国全体には世界の3分の2の人間がいると話した。
そして全てのBRICS加盟国が、共通のヴィジョンや平和、安定性、発展に同調し、さらには同じような課題や懸念により足並みを揃えたと補足した。
さらにBRICS-BIMSTEC間の目的と優先事項を同じくすることは、全加盟国に素晴らしい機会をもたらすと話した。
ハシナ首相はいかにしてBIMSTECがより効果的で結果重視、さらには他の地域連合との相乗効果を得られるかを真剣に見直す時期に来ていると話した。
<パキスタンの反応>
パキスタンは"テロリズムの温床"というモディ首相の発言に強く反応した。パキスタンのナワツ シャリフ首相の外交顧問サルタージ アザズ氏はこの件に関し、インド首相はBRICS諸国を"惑わせた"と非難した。
「モディ首相はBRICSとBIMSTEC諸国を誤った方向に導いている」
インドのリーダーはジャムやカシミールで"その残忍性を必死に隠そうとしている"。アザス氏がそう話したと、タイムズ・オブ・インディアは報じた。
The Daily Star 17 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/mini-saarc-summit-bimstec-1299673
翻訳:米澤
#バングラデシュ #ニュース #地域協力
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