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世界銀行は昨日、子どもの栄養不良に対処するためバングラデシュに、今後3年間で10億ドル(1038億円)を提供すると確約した。
「バングラデシュは子どもの栄養不良や発育不良の減少で大きく進展しました。さらに良くやれると我々は信じています。したがって子どもの栄養状態改善や発育阻害防止について、支援を増やすことを決めました」
世界銀行のジム ヨン キム総裁は、ダッカ(Dhaka)で行われたAMA ムヒト財務大臣との共同記者会見で話した。
世界銀行によれば、バングラデシュは母子死亡率低下や子どもの栄養状態改善に成功しているものの、発育不良の子ども数は世界で最も多い国の一つだという。
5歳以下の子どものうち550万人が発育不良で、中でもより貧しい家庭の子どもはさらに深刻な状況だ。
世界銀行の発表によれば、幼少期への投資は子どもの栄養を確保するプログラムを支援するとともに、43郡の60万貧困世帯を対象とした条件付き送金プログラムを含むという、
キム総裁は2日間のバングラデシュ訪問の折、昨日ダッカで貧困撲滅デーを迎えた。
キム総裁によると、世界銀行は幼少期の子どもの栄養状態と認知発達を改善するため、バングラデシュに投資するという。
出生前と出生後の最初の2年間に十分な栄養が摂ることができれば、認知や脳機能の発達に対する永続的な悪影響が防止され、子どもの長期収益可能性が改善される。
「脳や身体の迅速な発達、社会的な関係、そして環境が一体となって作用することで、子どもの能力の驚くべき向上を生み出せます」
「特に貧困家庭の子の幼少期の社会経済的環境への投資で、その収益可能性を改善し、家庭を貧困から救い出すことができます」
キム総裁はいう。
今回キム総裁が発表した世界銀行の資金援助は、過去3年間に比べ、投資額がほぼ2倍になった。
キム総裁はムヒト大臣との会談でバングラデシュの貧困削減実績を称賛し、統治や気候変動に関する課題が付きまとうにもかかわらず、数千万人の生活を改善し、女性の地位を向上させたバングラデシュから世界は多くの事を学べるとした。
昨日世界銀行と政府が共同開催したプログラムでシェイク ハシナ首相は、政府の開発作業は人間的な側面があり、貧困者や弱者層を保護し、その生活を改善するために努力していると話した。ユナイテッドニュース・バングラデシュ(UNB)の報道による。
社会的セーフティネットプログラムは包括的な成長アプローチと共に触媒としての役割を果たした。
ハシナ首相は世界銀行がバングラデシュの成功を紹介したことに感謝を示し、この認識によりバングラデシュの発展努力はさらに強まるだろうとした。
「今日のデジタル経済で競い合うためには、十分に発達した知性を備えた労働力が必要です。世界銀行はバングラデシュの発育不良をできる限り早期に撲滅するため、投資を増やそうとしているのです」
キム総裁は会見で話した。
バングラデシュが過去30年間に貧困削減で成功を収めた主要な理由は、バングラデシュが人への投資を重視してきたことにあるとキム総裁。
世界の多くの国では道路や情報技術(IT)、そして一部の人にハードインフラと呼ばれる投資により重きを置いていた。
「バングラデシュは国民の教育状態や、基本的な必需品へのアクセス改善を特に重視してきました」
「世界銀行はバングラデシュにとって非常に重要なパートナーです。我々はこの機関から最大の支援を受けています。さらに数年、少なくとも今後3年間は確実に支援を受けられるよう願っています」
ムヒト大臣はいう。
バングラデシュは過去45年間で世界銀行から約240億ドル(2兆4930億円)を受け取り、その援助は教育や保健、輸送、通信といったほぼ全ての部門に流れたとムヒト大臣は話した。
キム総裁は世界貧困撲滅デーの記念集会に出席し、2013年時点で、世界中の約8億人が1日1.9ドル(197円)未満で生活していると話した。2012年からちょうど1年間で約1億人が減少したということになる。現在、世界の極度貧困者の半数はサハラ以南のアフリカで生活し、さらに3分の1は南アジアで生活している。
「今もなお非常に多くの人々が非常に少ないお金で生活していますが、バングラデシュが成し遂げた極貧の劇的な減少は、この傾向が継続し、他の国でも同様のことができるという希望を我々に与えてくれます」
キム総裁は話す。
「バングラデシュは極貧をなくすに当たっての多くの教訓を示しています。最も重要なことの一つは、技術革新が不可欠な役割を持つということです」
2021年までに中収入国となり、2030年までには極貧をなくすという目標を達成するため、バングラデシュは経済成長を継続させ、より多くの、より条件の良い仕事を生み出し、エネルギーや輸送基盤を重視し、健康や教育の質の改善を進め、統治を改善し、反汚職の施策を強化する必要がある。
世界銀行はバングラデシュと共に、統治強化と投資環境の改善による民間部門の投資促進に取り組みたいとキム総裁は話す。
バングラデシュの外国直接投資は国内総生産(GDP)の1.7%で、大部分の国よりもはるかに低い数字だ。例えばベトナムでは、外国直接投資はGDPの6.1%を占める。
「統治強化はインフラ関連の仕事を増やし、輸出品目を多様化させ、労働者の健康と安全を保障することに繋がります」
キム総裁はいう。
世界銀行の上席副総裁兼チーフエコノミストのポール ローマー氏はプレゼンテーションで、成長が加速する時には一時的に所得の不平等が拡大することがあると話した。
最終的に全員で共有できる恩恵は拡散が遅いため、この種の不平等が現れるのだとローマー氏。初期段階では新しいアイデアから学ぶ機会を得られる人々はごく一部だ。その他の人々がアイデアに触れれば、同じように学ぶことができる。この"追い上げフェーズ"によってアイデアが拡散し、所得が平等化され、成長が加速する。
「バングラデシュの事例は、この一時的な不平等の拡大さえ回避できるほど、急速に新しいアイデアを拡散させることが可能であることを示しています」
ローマー氏は話した。
<パドマ橋についての対話>
世界銀行がパドマ橋建設に対する財政支援を撤回し、バングラデシュが自身の資金で建設を開始したことについて質問されたキム総裁は次のように話した。
「我々はパドマ橋の重要性を理解しており、これに関する議論を続けています。ですが政府は作業を開始しました」
「これだけは言わせてください。バングラデシュのあらゆる面での開発や成長は世界銀行にとってとてつもなく重要です。我々はバングラデシュを支援するため、可能な限りの資金援助を積極的に見出そうとしています。以前はこの件に関して議論する機会がありませんでした」
ムヒト大臣はこの件に関し、パドマ橋に割り当てられた資金のほぼ全てが既に国内の他のプロジェクトに用いられたと記者団に話した。
「ご存知の通り、彼(キム総裁)は我々が世界銀行に対していくつかの問題を抱えていた時に就任しました。彼による本当の意味での仲介があったからこそ、我々はその問題を解決し、前に進むことができたのだと個人的には考えています」
「そして次のサイクルでは、世界銀行からより大きな支援が期待できます」
The Daily Star Oct 18 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/child-nutrition-growth-bangladesh-wb-give-1b-3yrs-1300339
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #子供
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