ワシントンのシンクタンク国際食糧政策研究所(IFPRI)の新たな調査ノートによると、バングラデシュの児童婚は過去20年間で62.3%から約43%に減少したという。
だが15歳以下の児童婚が顕著に減っている一方、15~18歳(女子の最小結婚年齢)の児童婚率は約38%と依然として高く、自己満足する余地はないとIFPRIは指摘した。
1996年~2005年期から2006年~2015年期にかけ、15歳以下の児童婚は最大限減少したが、15~18歳の場合、それほどの減少は見られない。
IFPRIの調査結果は、18歳未満の女児の結婚を禁止しながら、"特別な場合"年齢制限を緩和する条項を維持した昨日の政府が支持した法案と同時にもたらされた。この法案は女性の権利団体から激しい非難を浴びている。
IFPRIのバングラデシュ代表で調査ノートの3人の著者のうちの1人、アクター アーメド氏にデイリースターが聞いた。児童婚は終わるのか? "特別な場合"という規定がある限り、悪用される可能性が高く、原則的にそうならないと彼は答えた。
「バングラデシュの政策環境と国家公約は栄養や食糧安全保障、貧困、女性のエンパワメントに劇的な改善をもたらした。だがまだバングラデシュの開発進展を妨げる独自の社会的、経済的、政治的課題が児童婚に存在する」
調査ノートはそう見る。
IFPRIは内閣府のガバナンス革新ユニットの要請を受け、2015年に行われたIFPRIのバングラデシュ統合世帯調査(BIHS)を利用して調査ノートを作成した。11月20日、内閣府に研究報告書を提出した。
BIHSはダッカ(Dhaka)やチッタゴン(Chittagong)、ボリシャル(Barisal)、クルナ(Khulna)、ラジシャヒ(Rajshahi)、ロングプール(Rangpur)、シレット(Sylhet)全7管区の6500世帯を対象とした、全国的に最も包括的で代表的な世帯調査の1つだ。
バングラデシュは15歳以下の女子の結婚を排除するという傾向は現れてきているが、15~18歳の女子の婚姻率をもっと大幅に下げる努力が必要だとアクター アーメド氏。
児童婚が低下したのは所得と教育水準が向上したからだが、この分野をさらに早く進めるため、持参金や社会的脅威に対して積極的なキャンペーンが必要だという。
彼は特に妊娠している10代の母親の60%以上について、「子どもの発育非常に遅いことがわかっている」という理由で心配を表明した。
IFPRIの調査ノートはいう。
「若くして結婚した女子は学校を辞めてしまい、その結果、後の人生で有益な雇用機会が失われる可能性がある。また体が成熟する前の10代の妊娠は子どもの発育障害と密接に関連し、低出生体重児を出産するリスクが高い」
「若い花嫁と夫との間の力の不均衡は、家庭内暴力やその他のリスクにさらされやすくなる」
母親や子どもといった最も脆弱な人たちの栄養を改善し、様々な相補的な人間開発目標に取り組むため、児童婚による世代間サイクル打ち破ることが必要不可欠だとIFPRI調査ノートは補足した。
バングラデシュ/The Daily Star Nov 25 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/child-marriage-declines-1320136
翻訳:吉本
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