地域診療所の活躍

アニディタ チャクマさんはランガマティ県の僻村、ドカイヤ・パラの地域診療所で長い列に並んでいるが、苦にならなかった。

「医師から母体や子どもの安全のために必要だと言われたので、破傷風ワクチンの接種を受けるためにここで待っています」
彼女は妊娠4ヶ月だ。

チャクマさんと同様、妊婦のデヴァキ マーマさんとトゥルシ トリプーラさん、リマ タンチャンギアさんもここで並んでいる。診療所の係員によると、特に妊娠中の母親をはじめとして患者の人数が増えてきているという。この係員は1日に40~50人の患者を看る。

政府は2009年、地域診療所計画を再度立ち上げ、地域へ基本的な健康管理の提供を図った。現在までに1万3500件の診療所が設置され、うち1万2906件でサービスが提供されており、30種類の緊急医療は無料だ。

計画責任者によると298件の地域診療所が建設中で、今後さらに606件の診療所を建設する予定だという。

通常の出産は224ヶ所の診療所で行う取り決めがある。政府はこれらの診療所に対し、母親や子ども、他の患者たちの情報を保存するため、インターネット接続されたコンピュータを提供している。

診療所では妊娠女性や青年期の男女に対し、性や生殖に関する健康サービスを提供している。栄養失調の子どもにはビタミンや亜鉛錠剤を、妊娠中や貧血女性には鉄分や葉酸錠剤を配っている。

ナトール県バライグラム郡のサダル地域診療所で働くある健康管理士によると、地域診療所のお陰でこの地域の貧しい人々も適切な医療を受けられるようになったという。同診療所では1日に100人程度の治療を行う。また週に1度は政府病院から専門医が訪れて医療に当たる。

保険家族福祉省によると、地域診療所はその地域から提供された土地に政府が建設を行うという点で、官民パートナーシップの独特な例だという。

各診療所は政府と地域の代表者が共同で運営する。

The Daily Star June 02 2016
http://www.thedailystar.net/city/community-clinics-bringing-health-care-doorsteps-1233223