望まぬ出産、年100万人(後)

「良質な家族計画サービス提供率の低さは、家族計画に関する指針を利用できない事や、きちんとした研修を受けた担当者が不足している事にあります」
アーサン氏はいう。

公共部門では、家族計画総局(DGFP)内で認可された医療官の51%と家族福祉監査官の23%が空席のままになっている。さらにDGFPの管理職のうち、95%が空席だ。。

アーサン氏はシレットやチッタゴン、ボリシャル、都会のスラム、到達困難な遠隔地、サービスがあまり行き届かない沿岸地域で、地域ごとの介入を提案する。

"セーブ・ザ・チルドレン"バングラデシュで保健・栄養・エイズ担当責任者を務めるイシュティアク マンナン教授によると、2030年まで持続可能発展(SDG)に関する目標を達成するためには、母体の健康状態改善が大きな課題だという。

イシュティアク教授によると、SDGの母体死亡率の目標値は出産10万件当たり59件だが、現在は176件だ。別の目標として熟練助産師の立ち合い率向上があり、こちらは現状の43%から98%まで引き上げるという。

平等性と効率がユニバーサル・ヘルス・カバレッジ[1]を実現する鍵になる理念だとイシュティアク教授はいうが、これまではかなり不平等性が残ったままだという。

例えば2004年から2014年の間、民間病院での立ち合い率は4%から22%へ上昇したが、公共病院では7%から13%にしか上昇していないという。さらに保健施設での出産率は最貧層女性がわずか15%であるのに対して、最富裕層女性は70%だった。

[1] 「すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる」状態
(JICAホームページより引用)

The Daily Star June 06 2016
http://www.thedailystar.net/city/country-sees-10-lakh-unwanted-births-year-1235017