イフター市場に殺到(前)

イフター市場に殺到(前)
ダンモンディ在住の60代男性ムド ザヒド ホサインさんは1970年代からすっと、オールドダッカのチョークバザールで買ったイフター[1]用料理をもってラマダンに臨む。人気料理"バロバペル ポーレイ カイ"なしに断食をやめることなど、彼にはできない。

「私だけではなく、3人の娘たちもこの伝統料理が大好きです。私は毎年、チョークバザールの仮設店舗の最初の客になっています」
ザヒドさんはこう話す。ラマダン初日に当たる昨日、ザヒドさんはお気に入り料理を買うのに忙しそうだ。

「ラマダン中はほぼ毎日、あの特別な料理(バロバペル ポーレイ カイ)をイフターのために確保します。あれはとても美味しく、とても独特の料理なのです」
ケラニガンジのジンジラにバロバペル ポーレイ カイやドイボラ[2]、鶏肉のフライといった料理を買いに来ていたモハマド チャンミアさんは、過去20年にわたりチョークバザールの料理をイフターで食べることが家族の慣習だったという。

チョークバザールのイフター市場は100年以上の歴史を持ち、台所市場の中では最大規模だ。この市場はザヒドさんやチャンミアさんだけでなく、国中から多くの人々を引き寄せる。

ラマダン中、チョークバザールの市場には様々な職業・身分の人々が、味も見た目も独特なイフター料理の数々を買いにくる。100を超える仮設店舗では肉や野菜、果物、乳製品で作られた料理が販売される。料理の中にはその歴史をムガル帝国時代にまで遡るものもある。

バロバペル ポーレイ カイ以外の人気料理は牛肉や鶏肉、マトンや鳩のロースト、オニカッコウのロースト、挽肉のロール、挽肉のパラーター[3]、ボラーニ[4]、ドイボラ、さらにシャミやスチ、ジャリ、イラニ、ティカといった種々のケバブ[5]がある。

[1] ラマダン中の、日没後に食べる夕食
[2] レンズ豆の団子にヨーグルトと香辛料のソースをかけたデザート
[3] 何層にも折り重ねた生地を、薄くのばして焼き上げたもの
[4] ヨーグルトに各種の香辛料をブレンドした飲み物
[5] ロースト料理の総称

The Daily Star June 08 2016
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