チッタゴン管区バンドルボン(Bandarban)県タンチ(tanchi)郡の奥深くに住む土着の人々の暮らしは、深いジャングルに覆われている。地域代表者や権力者たちは選挙のときぐらいしか彼らを思い出さず、彼らの抱える問題にはほとんど気を留めない。
一ヶ月に及ぶ食料不足ののち、彼ら2万5千人は、政府から救援物資が届くことを知った。
タンチ郡へ米180トンの割り当てがあってから2週間、彼らのもとには3分の1も届かなかった。タンチ市場からティンドゥユニオンやレマクリユニオンへ行くには危険なサング川を渡る必要があり、輸送が困難だったからだ。
そこまで1トンの食料を運ぶには1万3千タカほどの費用がかかるが、政府が輸送費を用意しなかったため、すぐ届けることは困難だ。上記2ユニオンへの食料輸送にはすでに20万タカが使われている。これは私財や政府の他のプロジェクトから捻出したものだ。タンチ郡のアンワール ホサイン知事はいう。
タンチ郡の計画実行役員(PIO)アラムギル ホサイン氏によると、配分された米のうち36トンだけが被災世帯に配給されたという。
「交通の問題があるため、食料配給には時間が必要です」
タンチ郡議会のクワ フラ チン議長によると、雨によって川の水面が上昇しているため、現在は僻地へ食糧輸送ができないのだという。
最近メディアが報じている食料汚職について、政府から分配された米はタンチ市場には到着しているとクワ議長は否定する。
ティンドゥ、レマクリユニオン両議会の新任議長たちは、届けられた政府の救援物資は取るに足らない量だと話す。
現地住民たちは生き延びるため、食べられるものをジャングルからかき集めているという。
The Daily Star June 14 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/thanchi-people-go-hunger-1239382
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