新旧ダッカ料理対決(前)

新旧ダッカ料理対決(前)
ダッカを2つに分けてみた。旧ダッカは豊富な歴史と伝統という独特な魅力を持つ。新ダッカは近代的できらびやかだ。旧ダッカと新ダッカは一つの都市だが、文化的・社会的規範や食べ物で言えば、両者は遠く離れた両極に位置する別々の都市といえる。

この違いはイフタール(ラマダン中、日没後の夕食)やセーリ(ラマダン中、日の出前の朝食)の時によく表れる。チョーラ(カレーの1種)やベグーニ(ナスの揚げ物)、ピアジュ(玉ねぎとレンズ豆の揚げ物)、ハリーム(肉入りシチュー)に対する愛情は両者とも深いが、もっと深く掘り下げれば興味深い差が見えてくる。

ミシャエル アジズ アーマドさんとアベド アリ カーンさんは、旧ダッカの料理と新ダッカの料理をお互いに御馳走することにした。二人は大学へ入学して以来の親友だ。ミシャエルさんは現在ケア・バングラデシュで働いており、バングラモーターに長く住んでいる。アベドさんはオールドダッカ・インターナショナルスクールの所有者兼業務責任者で、旧ダッカ中心部のカエチュリー出身だ。

アベドさんはミシャエルさんを旧ダッカに案内し、イフタールの光景を見せることにした。

午後5時30分、ミシャエルさんは旧ダッカの食の中心地ナジラバザールに到着した。間もなく日没だ。だがそれは空を見上げなくてもわかる。イフタール料理の売買がすごい勢いで行われているからだ。

アベドさんは狭く迷いやすい路地を歩きながら、ミシャエルさんを案内する。周辺一帯は混沌として目まぐるしい。数多くのリキシャが通行人の間を縫って走り、車上販売や屋台の売り手は大声でイフタール料理の名を叫ぶ。ケバブやビリヤニ(カレーの1種)、マンゴーにパイナップルといった食べ物の匂いが入り交じり、あたり一帯に漂っていた。

The Daily Star June 17 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/dhaka-vs-dhaka-the-food-derby-1240837