アベドさんはミシャエルさんを連れ、お気に入りの店"ビスミラ・ケバブ・ゴール"に入った。アベドさんはケバブ料理の数々を見せて回る。
「君の住む所でも食べられるだろうけど、ここのケバブは本当に特別なんだ」
アベドさんは言う。
「モツがお勧めだよ」
アベドさんは"グルダ・フライ"と"キリ・フライ"を購入した。ミシャエルさんはイフタールを知らせるサイレンが鳴るのを心待ちにしていた。
2人はあちこち歩き回り、"パポル"(クラッカーの1種)や"パラータ"(パンの1種)といった食べ物を買った。道すがら、出会った知り合いには挨拶もした。
友人や近所の人たちによく出会い、握手をしたり、ハグをしたり、追いかけたりするのをみると、アベドさんはここでかなり有名なようだ。あるいはこれが旧ダッカの魅力の一つなのかもしれない。隣人たちは互いのことを知っており、コミュニティはいまだ強固な繋がりがある。
ナジラバザールを離れ、2人はアブル・ハスナト通りを訪れた。サート・ローザ寺院の素晴らしいドームを背景に、イフタール用の最後の買い物をした。アベドさんはシャーネムガルでハリームを買った後、アナンダに入った。ここは数世代にわたって商売を続ける伝統ある菓子屋だ。アベドさんは"ジラピ"(プレッツェルのような菓子)と、もちろん"ポニール"も買った。
「旧ダッカの人にとっては必需品みたいなものさ。ポニールはすごく人気で、お茶やスナック、いろんな物と一緒に食べるんだ」
2人は再びナジラバザールに戻った。"ビューティ・ショールボット"を予約をしていたのだ。この簡素な食堂はカッチビリヤニ(生米のビリヤニ)やラッシー、レモネードを出す。ここのレモネードはとても有名だ。
イフタールの時間が間近に迫り、店内は人でごった返していた。ついにイフタールを知らせるサイレンが鳴った。
The Daily Star June 17 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/dhaka-vs-dhaka-the-food-derby-1240837
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