UNCTADの今年の報告書は、失速している世界成長や下落している商品価格、地政学的緊張を背景にした世界的な資金の流れを調査している。
「投資家の国籍:政策課題」と題した報告書は、2015年、外国直接投資の流量が急増し、FDIの回復は全世界的に力強かったことを示した。
国境をまたぐ合併・買収(M&A)の急増は、世界的な回復の背後にある主な要因だ。しかしFDIの成長の一部は本社の移動など、多国籍企業による非常に大規模な企業の再構成によるものだった。
企業の所有と支配の規制は、ほとんどの国の投資制度で不可欠だ。報告書は多国籍企業の所有構造を考察し、国家的・国際的な投資政策の実践を世界的に分析し、所有の問題を扱うための新たな枠組みを提案している。
世界的なFDI流量は2015年には38%急増し、世界的な経済・金融危機が2008年に始まって以来の最高水準(1.76兆ドル)となった。
だがこの増加は、各国の生産能力の同等の拡大にはつながらない。潘基文国連事務総長は報告書の序文でいう。
米国が最高額のFDIを受け取り、香港、中国、アイルランド、オランダ、スイス、シンガポール、ブラジル、カナダ、インドがそれに続く。
インドのFDI上昇のおかげで、南アジアへの総流入量は約22%増加し、西アジアのFDIを上回って500億ドルになった。
報告書は世界的なFDI流量は2016年、10~15%低下すると予測する。中期的には2017年に増加を再開し、2018年に1.8兆ドルを上回る。
現在の世界的、地域的経済減速によってFDIの流入は妨げられ、アジアへの流入は2016年に約15%減少し、2014年水準に戻るだろう。
報告書に追記された。
The Daily Star June 22 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/record-22b-fdi-came-last-year-1243486
関連