ノーボート ノースクール

ノーボート ノースクール
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木曜日午後1時30分頃、小雨が降っていた。生徒たちはシレット管区スナムゴンジ(Sunamgonj)の人里離れたシュルジェルガオン(Shurjergaon)の船着き場に立っていた。

傘で雨をしのぎながら船に座る人もいれば、近くの店で雨宿りする人もいた。

タヒルプール(Tahirpur)政府高校の生徒ビジョイ(Bijoy)アーメドさんは、約2.5キロ離れたガジプール(Gazipur)村に住んでいる。それぞれ違う学校に通う20~25人の生徒は、一人一日あたり15タカ(31.2円)の運賃を払って通学用の船を予約するとアーメドさんはいう。

船は皆が到着するのを待つので、決まった時間に帰宅できない。朝は午前8時に出発することになっているが、もし何らかの理由で誰かが間に合わないと、他の生徒もその日学校に遅刻する。

タヒルプールの何百人もの生徒がモンスーンの間、船で通学する。小型船は過酷な気象条件では危険なため、一度に多くの生徒を運べるモーターボートを政府は用意すべきだと教師、生徒そして両親は感じている。

モンスーンの間、周りの湖があふれるので、船が唯一の輸送手段になる。

船頭のバドルル(Badrul)さんは定期的に村から村へと生徒を運ぶが、悪天候では危険度が増すという。生徒はモンスーンの3~4ヶ月間はそうやって移動する。

タヒルプール郡249村に133の小学校、14の高校、カレッジレベル2校、カレッジ4校があると県職員はいう。
村と学校が遠いのは問題だ。タヒルプール以外でもジャマルガンジ(Jamalganj)、ビシャムボルプール(Bishambhorpur)、ダラマパシャ(Dharamapasha)、デライ(Derai)、シャラ(Shalla)郡の何千人もの生徒たちも、モンスーン期、通学に悪戦苦闘している。
教師たちはこんな学校で働きたがらない。政府学校に採用された教師たちは要求をより満たせる他学校によく転任してしまうため、教育の質は劣化した。

小さな船はわずかな風でも揺れる。若い生徒は雨でずぶ濡れになり、本はびしょ濡れになる。妹は傘を差していても雨をしのげなかった。
「私たちは学校に来るために、毎日この戦いに直面しなければならない。船を逃せば私たちは授業に出られない。船が遅れたので、先週木曜日、最初の授業に間に合わなかった」
カレッジの学生で姉のブリシュティ(Brishti)ベグムさんは話した。

高床式のジャムラバジ(Jamlabaj)政府小学校は水で囲まれていた。3年生のミンハ(Minha)さんは船でやって来たという。水は流れが強く、幼い子どもがこんな状況の中で移動することは非常に骨が折れることだと先生はいう。

ラタンスリー(Ratansree)の政府小学校でも同じ光景が見られた。修理不足のため、学校の状態は悪い。5年生のシャヒーン アラムさんはモンスーン期に出席数が減少するという。

数え切れないほどの生徒が、船でビショムブホルプール(Bishombhorpur)に移動していた。生徒たちが腰の高さまでの水の中を苦労して歩いているのを目にした。
これらの地域の水問題は、否定できない現実である。数人の教師や保護者はプロトム・アローに話してくれた。インフラは一晩では構築できないし、すべての村に学校を設立することもできない。もし政府が大型モーターボートを提供すれば、生徒と教師は恩恵をうけることができる。

Prothom Alo July 23 2016
http://en.prothom-alo.com/bangladesh/news/113231/No-boat-no-school
翻訳:アラトモ

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