都市部で貧困増加

都市部で貧困増加
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昨日の世界銀行(世銀)の発表によると、バングラデシュ都市部の貧困者数は1992年から2010年の間に約33%増加し、800万人になった。

だが農村部の貧困者数は同じ期間で5500万人から4600万人に減少した。世銀南アジア都市部のミン チャンマネージャー部長はいう。
しかも都市部貧困者の生活の質は農村部の貧困者よりも悪い。都市部の貧困に関する2日間の国際協議の開会式でチャン部長は発表した。

ダッカ(Dhaka)のLGEDホールで行われた協議会は、"パワー・アンド・パーティシペーション・リサーチセンター(PPRC)"とバングラデシュ統計局(BBS)が、世銀と国連開発計画(UNDP)の協力を得て共同開催した。

「典型的な彼ら(都市部の貧困者)は周辺土地のスラムに住んでいます。スラムは過密でインフラを欠き、住居の質は悪く、サービスへのアクセスは制限され、土地の保有が不確かです」

「都市部では何を買うにもお金が必要です」
チャン氏は社会的、経済的な衝撃の際に役に立つ地域生活や相互関連がある農村部との違いを示唆した。

都市部の貧困者は教育や医療サービスを受けられないことがたびたびあるとチャン氏。

国内では都市化が急速に進み、国内総生産(GDP)の60%以上は都市からであるという事実があるにもかかわらず、このようなことが起きている。

国内都市部の人口は2050年まで、総人口の44%に当たる約1億200万人に増加するとBBSは指摘する。

為政者は数十年にわたって農村部の貧困に焦点を当ててきたが、都市部の貧困は放置されたままだった。経済学者や都市の専門家はいう。PPRCのホサイン ジルール ラーマン事務局長によると、たちの悪い土地の占拠者や腐敗した政治家、係争中の公有地に非公式な住宅をたびたび設ける役人にとり、都市部の貧困者は金になる市場なのだという。

そこには政治的経済が存在し、そのため公共輸送や低価格住宅、都市衛生やスラムの改善についての多くの政策がさほど進展を見せていないとラーマン氏。

都市部の貧困者は農村部の貧困者とは異なり、住居の固定性が少なく、不安や社会的差別というより大きな重荷を抱えた違法市民である現実に度々苦しんでいるため、都市部の貧困に社会や人々の目を向けさせることが重要である。ラーマン氏は都市部へ注目を高める上での困難に関する記事でこう書いた。

従って統計の対象として正式で居住する人を好む傾向にある統計システムでは、都市の貧困者は見えないままだとラーマン氏は話す。

経済学者らによれば、都市部の貧困者と農村部の貧困者に違いを生じさせる要因は、住居の頻繁な移転や環境災害、社会の分断、犯罪や暴力への露出、事故も含まれるという。

都市部には収入の大きな不平等もある。例えば月間収入が2万5千タカ(3万2200円)以下の世帯はダッカ全体の58.4%を占めるが、それらの世帯収入はダッカ全体のわずか21%だ。

これに対し、月間世帯収入が100万タカ(129万円)を超えるような最上位層はダッカの全世帯のうち5.4%だが、その収入はダッカ全体の39.9%を占めるとラーマン氏はいう。

ワヒドゥディン マームード教授は、都市部の極貧は急速に拡大する都市人口の一部に対する人間性の剥奪の最悪の形態であると論じ、当局に対して早急に都市部の貧困に焦点を当てるよう要求した。

「農村部では地域から私的な保険や支援を受けられます。都市部ではその類の支援がありません」
マームード教授はいう。

為政者は都市部の貧困が農村部から都市部への移住による波及効果であると考え、これを無視してきた。だが川の浸食のような自然災害で都市部への移住を余儀なくされたケースも多数ある。都市部のスラムに着いた際、これらの人々の社会経済的地位は低下したとマームード教授はいう。

さらに最近は多くの女性労働者が都市へ移動しているが、賃金には男女格差が存在するという。

政府は100ヶ所の経済特区を設けるため動き始め、これにより農村部で仕事が作られる。AHM ムスタファ カマル計画大臣は映像メッセージで話した。さらに経済特区は農村部の教育施設や衛生施設を改善し、これにより農村部から都市部への移住を防ぐことができるという。

MA マンナン財務計画担当国務大臣、マンチェスター大学国際開発研究所のダビッド フルメ教授、UNDPのジョン ウィリアム テイラー国際プロジェクトマネジャー、PPRCリアクアット アリ チョウドリー上級研究員も発表を行った。


The Daily Star Sep 25 2016
http://www.thedailystar.net/business/urban-poverty-the-rise-wb-1289299
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #貧困