手付かずの観光地チッタゴン

手付かずの観光地チッタゴン
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良い眺めの海、丘陵、マングローブ林、滝、そして湖。チッタゴン(Chittagong)市や近隣の郡は様々な要素で自然の祝福を受け、観光客たちを惹きつける。

だが政府機関の無関心により、観光地の多くはその可能性が開発されずにいる。今日迎える世界観光デーの中、チッタゴンの観光地は放置されたままだ。

例えばチッタゴン市のパテンガビーチには毎年数千人の観光客が訪れる。3つの政府機関が1997年からこの場所のインフラ開発計画を立てているが、どこも計画は実行していない。

チッタゴン市自治体(CCC)は1997年のパテンガ湾リゾートプロジェクトに65億タカ(83億5千万円)を費やし、150エーカーの観光地を開発する計画を立てた。このプロジェクトは2002年、政府の承認を得られなかった。だがCCCは300万タカ(385万円)を使い、3階建ての観光客向け施設を建築した。その建物は現在放棄されている。

CCCは2010年に再度、9億3千万タカ(11億9千万円)を費やし、海岸40エーカーを開発する別のプロジェクトを提案した。2012年1月、このプロジェクト案は異議なし証明を受けるため観光省に提出された。だが証明書はまだ受け取っていないとCCCのラフィクル イスラム マニク技師総監はいう。

一方バングラデシュの観光促進主体である観光公社(BPC)は2012年、同じ海岸の5エーカーの土地にモーテルを建設する計画を立案した。BPC役員によると、建設予定地がカルナプリトンネルプロジェクトに組み込まれたため、この計画を断念したという。

さらにチッタゴン環境局は2013年、海岸の景観を向上させようと、両側に座席と植林を配置した2キロメートルの遊歩道を設けるために動き出した。2013年2月13日、ハサン マームード環境森林大臣はこの7140万タカ(9170万円)のプロジェクトの土台を構築した。このプロジェクトはまだ実施されていない。

チッタゴンにはこれ以外にアンワラ(Anwara)郡のパルキビーチと、パハールタリ(Pahartali)郡のカッタリビーチという2つの美しいビーチがある。

チッタゴンBPCのモーテル・シャイカトの経営者、シャー ミザヌール氏によると、パルキビーチ付近の13エーカーの土地にリゾート地を造る計画を立てていて、土地の資料を調査しているという。パテンガビーチとパルキビーチの開発は計画段階から進まないが、マングローブ林のあるカッタリビーチに関してはいまだ放置されている。

この結果、毎日数千人の観光客が訪れるこれらのビーチは、訪問者に食事を提供するために設けられた無計画な建造物に占拠され、景観を損ねている。しかも観光客の安全を確保するための動きは一切ない。9月20日にはカッタリビーチ付近の海で少年が溺死した。
これらの海岸と同様、ミルシャライ(Mirsharai)郡にある山や滝の美しさは多くの観光客を惹きつける。特にコヤッチャラの滝とナピッタッチャラの滝は、雨季の間は訪問者でいっぱいになる。

だが観光客がこれらの場所へ行くための道路や標識は無い。結果、観光客はたびたび道に迷う。今年の8月15日には若い技師がナピッタッチャの滝に向かう途中で死亡した。道に迷い、山から落ちたのだ。

ミザヌール氏によると、BPCのチームがこれらの滝を訪れ、ここで何らかのプロジェクトを行った際、商業性があるのかを検証するという。

フォイ湖はチッタゴン市内でインフラが整備されたただ1つの観光地だ。パハールタリ地区の丘陵にある約336エーカーの湖は、2004年、ある民間企業によって観光地として開発された。今では年に55万から60万人の観光客が訪れる。

"コンコード・アミューズメント・ワールド・フォイズレイク"のマーケティング責任者ビシュワジト ゴーシュ氏は、政府が観光地を開発できないのであれば民間や合弁企業に開発の主導権を渡すべきだという。これらの美しい場所を適切な開発をせずに放置すれば、無計画な開発によって景観や魅力が損なわれるだろう。

そのせいで観光客は外国に代わりの場所を探すかもしれない。

The Daily Star Sep 27 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/ctg-tourism-potential-remains-untapped-1290370
翻訳:長谷川
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