バングラへ貸付拡大

1217字

アジア開発銀行(ADB)はバングラデシュへの貸し付け額を、今後5年間で従来計画の80億ドル(8084億円)からさらに60%拡大する。バングラデシュの社会基盤構築を補助し、地域の貿易による繋がりを強化することが目的だ。

ADBの重役会議で承認された"対バングラデシュ国家パートナーシップ戦略(CPS)2016-2020"では、バングラデシュとADBとのパートナーシップ強化を構想している。

「バングラデシュはミレニアム開発目標で掲げた通りに貧困を半減し、10年間にわたる経済成長の後、中所得国の地位に到達しました」
ADBバングラデシュ事務所のヒグチ カズヒコ所長は話す。

「我々の新しいCPSは、新しい成長源を生み出し、雇用を創出し、地域的にバランスの取れた成長を伴う農村部の開発を支援するという政府の目標と合致します」

ADBは運営拡大を支援するため、プロジェクトや部門、国レベルの組織能力強化も行う。前回のCPS2011-15年期には、ADBのバングラデシュへの貸し付けは50億ドル(5053億円)を超えた。ADBは昨日の声明で発表した。

ADB南アジア支部の交通輸送専門家マークス レーズナー氏は電子メールによるインタビューで、ADBによるバングラデシュの輸送部門への投資は社会基盤のボトルネックや地域の接続性、交易の改善、そして様々な輸送方式のより良い統合を目的としていると話した。
マークス氏によると、ADBは鉄道プロジェクトに加え、道路部門でも投資の準備をしているという。

ADBはチッタゴン(Chittagong)港を筆頭とした海洋部門の物流改善や後背地へのアクセス加速により、国際市場でバングラデシュの競争力向上を支援する。

「内陸コンテナ倉庫やダッカ(Dhaka)北部の物流センターにも資金を提供する準備をしています」
マークス氏はいう。

ADBの声明によると、CPSはバングラデシュの需要に柔軟に対応するため、広範囲のアプローチを採用したという。ADBの中核的強みに基づき、CPSは社会基盤的な制約の緩和、人的資本の拡張、経済回廊の開発促進、農村部の生計改善、気候変動や災害に強い社会基盤やサービス提供を支援する。

ADBはバングラデシュを地域的・世界的な価値連鎖で良い位置に置くため、経済回廊の開発を支援する。

今後、主要な鉄道や道路網の処理能力改善やチッタゴン港の開発、ダッカの都市輸送、発電・送電・配電、地域のエネルギー交易を含むエネルギー移転、再生可能エネルギーの開発を支援していくことを提案している。

ADBの支援プログラムは男女平等の主流化、特に官民パートナーシップによる民間部門の動員、国家財政管理の改善、地域の協力支援によって支えられるだろう。

ADBの知識製品やサービスは、事業活動を展開するための分析基盤を提供する。

The Daily Star Sep 30 2016
http://www.thedailystar.net/business/adb-raise-lending-bangladesh-1291711
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #アジア開発銀行