水上トイレは良い知らせ

水上トイレは良い知らせ
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スナムガンジ(Sunamganj)県のハオール(メグナ川上流の低湿地帯)に住む人々にとって、長い間トイレが課題だった。雨季には広い範囲が水没するため、衛生的な生活条件を維持することは決して容易ではない。しかし今、ビシュワンバールプール(Bishwambarpur)郡の遠隔地ファテープール(Fatehpur)ユニオン、ガガティア(Ghagatia)村では、画期的な水上トイレがより健康的な生活を約束してくれる。

「長い間、私たちは開けた場所で排便するしかありませんでした。特にモンスーンの間、他に選択肢がありません」
ガガティア村に住むマクブル ミアーさんは話す。ガガティア村はカルチャール(Karchar)ハオールの中ほどに位置するが、さほど特別ではない。公共衛生工学庁による最新の国内調査では、スナムガンジ県に住む45万世帯のほぼ半数が、衛生的なトイレへのアクセスを欠いていることが判明したという。

前土地委員補佐でビシュワンバールプール郡行政官代行のムマンマド タルト氏による画期的な努力のお陰で、この状況に改善が期待されている。

バングラデシュ技術工学大学(BUET)出身で機械技師の資格を持つタルト氏は水上トイレを発明した。水上トイレは8月からガガティア村でテストが行われている。
「ハオールに住む人々の暮らしにとって、トイレは最大の課題の一つです。私はこの問題の解決方法を考え、水上トイレの開発を思いつきました」

「このアイデアについて考えたところ、最も必要とされる材料が手元にあることに気付きました。我々は石や砂の違法採掘を取り締まるため、移動法廷を定期的に実施しています。これらの採掘作業には、地元ではボマ(Boma)言われる浚渫船やポンプ、ドラム缶、竹やロープその他を使用します。以前はこれらの備品を差し押さえて破棄していましたが、水上トイレに再利用できることに気付いたのです」

持続可能なエネルギー政策を学ぶために英国のサセックス大学に向かったタルト氏は、3から5本の空のドラム缶と簡易受け皿、竹を使った簡単な設計図をスケッチした。タルト氏は一年中稼働でき、特に雨季に対応したトイレを欲していた。
「採掘作業の際、重たいポンプを川の上に浮かべるために使われていたドラム缶は、良い浮力を提供してくれます。中ぐらいの缶にはS字型のプラスチック製受け皿を取り付け、排泄物の貯蔵に使います」

200リットルのドラム缶はS字型の受け皿を取り付けることで容量が160リットルまで減少するが、3人家族なら最大で15日間持つとタルト氏はいう。
「その後、差し押さえたポンプを使ってこの排泄物を安全タンクに移します」

その後、郡やユニオンレベルによる試験計画の下、ガガティア村には48ヶ所の水上トイレが導入された。

当然ながら、ガガティア村を故郷と呼ぶ約100世帯は感動を覚えた。
「水上トイレのお陰で、私たちは初めて衛生的に暮らせます」
マクブル ミアーさんはいう。デイリースターが地元の人に話を聞いたところ、一部の子どもはいまだに開けた場所を選んでいるものの、殆どの大人や子どもはこの新しいトイレを使っているという。

ファテープールユニオンのラナジト チョウドリー議長によると、タルト氏は全面利用を推進するため、ユニオン議会の協力を得て引き続き啓発キャンペーンを行っていく予定だという。

公共衛生工学庁のムド アブル カシェム地方技師補佐は水上トイレの可能性について肯定的だ。
「我々は何年もの間、トイレ問題を解決するため奮闘していました。県内の小学校に407個のトイレブロックを設けるといったプロジェクトはある程度の成果がありました。しかし水上トイレはこの問題に対処する上でずっと価値のある試みであり、我々は他の地方でもこの計画の実施を検討しています」

スナムガンジ県のシェイウ ラフィクル イスラム県令も同じ様に肯定的だ。
「水上トイレは地方の行政官による素晴らしい革新です。我々はこのプロジェクトを技術革新基金に提出したいと思います。そうすれば県内全域のハオールで、非衛生的なトイレをなくす助けとなるはずです」

The Daily Star Oct 02 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/floating-latrines-good-news-haor-people-1292713
翻訳:長谷川
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