1474字
日曜日から2日続けてベンガル湾でヒルサが大漁だったことは、チッタゴン(Chittagong)県シタクンド(Sitakunda)郡の漁師たちにとって嬉しいサプライズだった。
だがその嬉しさも長続きしなかった。買い手や保存施設の不足で、捕れたヒルサの殆どが海に捨てられたためだ。
地元の漁業事務所によると、シタクンドでは350人ほどの漁師が700台のボートを使って魚を捕っているという。シタクンド郡には24のガート(河岸階段)があり、ボートの半数は最大ガートのクミラガートに係留されている。
昨日現地を訪れた特派員は、海や隣接する水路に死んで腐敗した魚が数百匹浮いている所を見かけた。この地域全域に腐敗臭が満ちていた。
「私は25年間魚を捕まえてきましたが、これほどの大漁は見たことがありません」
サミラン ジャラダスさん(42歳)は日曜日の大漁について話す。
「(略) 私たちは21反の網を設置し、(略) 11反を回収した所でボートは魚でいっぱいになりました。なので残りの網にかかったヒルサは放置せざるを得ませんでした」
他の多くの漁師たちも同様の経験をした。
平均的に漁師たちは1日に100から120キログラムほどの魚を捕まえる。しかし今シーズン、その量は200から600キログラムになった。日曜日と月曜日には1トンの魚を捕まえたボートさえあったという。デイリースターは何人かの漁師から話を聞いた。
地元の漁業事務所も同様の情報を提示した。
「ガードに戻った後、魚が二束三文で売られているのを見かけました。私たちはまだバイヤーを見つけられていません」
サミランさんはいう。
サミランさんによると、一部の魚をある顧客に7千タカ(9200円)で送ったという。バイヤーや低温保管庫がないため、その後サミランさんはさらに大量の魚を、わずか8千タカ(1万500円)の値段しか付けられていないチッタゴン(Chittagong)市へ送った。既に魚が腐り始めていたためだ。
「残りの魚は海に捨てるしかありませんでした。低温保管庫があれば20万タカ(26万円)は稼げていたはずです」
ガートの漁師のほぼ全員が、2日間で捕まえた魚の3分の1を捨てた。漁師たちは低温保管庫を速やかに設置するよう要求した。
地元の人々によると、バンシュバリア(Banshbaria)ユニオンのボアリアクール(Boaliakhul)ガートやショナイチャリ(Sonaichari)ユニオンのファキラート(Fakirhat)ガートの漁師たちも同じ理由で魚を捨てるしかなかったという。
クミラガートの卸バイヤーであるヌルル ゴニさんは、日曜日に約10トンの魚を買った。ゴニさんは20年以上にわたってダッカ(Dhaka)やチッタゴン、他の県で魚を販売している。
だが氷や塩のような保存資材は価格が高くて買う余裕がなかったため、2.5トン近くのヒルサはベンガル湾に捨てるしかなかった。
漁師や卸バイヤーたちは、地元の商人たちは大漁を受けて氷や塩の値段を引き上げたと主張した。
普段は氷80キログラムは80タカ(105円)だが、日曜日に同じ量の氷は1200タカ(1570円)だった。さらに、塩も1キログラムにつき8から10タカ(10.5-13.1円)値上げされた。
郡漁業職員のセリム レザ氏は、この出来事に気付いており、漁師たちが冷蔵保管庫を求めていることを上位の当局に知らせると話した。
The Daily Star Oct 05 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/what-waste-1294360
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #ヒルサ #大漁
関連