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隣のポンチョゴラ(Panchagarh)県やタクルガオン(Thakurgaon)県の一部で低地の茶栽培が根付いていることに刺激を受け、ディナジプール(Dinajpur)県ビルガンジ(Birganj)郡ジャルジャリ(Jhaljhali)村のナズルル イスラムさん(36歳)は茶の栽培に挑戦している。
ナズルルさんは昨年8月、2エーカーの土地に6千本の苗を植えた。苗はポンチョゴラの農家から1本4タカ(5.3円)で購入したものだ。6ヶ月後には初めて葉を摘み、初めて約50キログラムを収穫した。
茶葉に適した葉の生育量は着実に増えている。ナズルルさんは今月始め、約500キログラムの葉を収穫したという。
ナズルルさんは合計で約1千キログラムの葉を収穫した。
葉はポンチョゴラにある北ベンガル茶工場に持っていき、1キロにつき25タカ(33円)で販売する。
この画期的な試みが有望な結果となったことで、ナズルルさんは茶栽培の拡大を検討し始めた。
たとえ拡大をしなくとも2年後、茶がもっと生い茂れば、茶葉で今年稼いだ2万5千タカ(3万3千円)をひと月で稼げるようになるだろうとナズルルさんは見積もる。
バングラデシュで急成長している茶産業の歴史は、英国植民地時代にさかのぼる。当時、シレット(Sylhet)やチッタゴン(Chittagong)には大規模な茶栽培が導入された。2000年まで茶関連の土地はシレット管区やブラフモンバリア県、チッタゴン県、ランガマティ県にあるだけだった。
だがポンチョゴラ県テンチュリア(Tentulia)がインドのダージリン(Darjeeling)茶の栽培地域に隣接していることもあり、2000年には一部企業がテンチュリアで小規模な茶栽培を開始した。茶栽培は隣接するタクルガオン県に広まった。
ナズルルさんはディナジプールでは茶栽培が可能性が開拓されていないことを鑑み、茶栽培という冒険を始めた。
茶木はわずかな手間で育つとナズルルさんはいう。
「昨年は有機肥料を2回使いました。それを除けば定期的に水をやるだけです」
ナズルルさんは茶木を直射日光から保護するため、ところどころにニーム(インドセンダン)植えた。
「ナズルル イスラムさんはディナジプール県の茶栽培者の先駆けです」
ビルガンジ(Birganj)にある農業普及局職員のモスタフィズール ラーマン氏は話す。
「ヒマラヤからさほど離れていないこともあり、地理的条件や気候が好ましいため、ここでの茶栽培は前途有望です」
茶栽培は県内農村部の経済を変化させるとモスタフィズール氏は考える。
実際、ナズルールさんの試みは既に多くの人を刺激した。近くのパルタプールアシュラヤン(Paltapur Ashrayan)村の農家アザド アリさんは、ナズルルさんの足跡を熱心にたどっている。
アザドさんは今年2月の始め、2エーカーの土地に苗を植えた。
「ナズルルさんの成功を知り、始め自分の土地に3500本の苗を植えました。ビルガンジ農業普及局の職員と話をし、今は稲田を茶畑に転換することを決意しました」
アザドさんは現在までに300キログラムの茶葉を収穫した。
ディナジプールの農家はここ数年、オレンジやマルタ、ドラゴンフルーツといった新しい作物の栽培で成功を遂げたことで、自分たちの適応性を証明した。今では多くの農家がナズルルさんの茶栽培の利点を検討している。茶生産がこの県の農業に新たな成功となる可能性を秘めているかのようだ。
The Daily Star Oct 16 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/dinajpur-tea-1299202
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #お茶 #栽培
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