対中協定は岐路

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バングラデシュと中国の間で締結された協定を適切に遂行することで、経済の新たな地平が開かれる。ビジネスリーダーや経済学者たちは話した。

中国の習近平国家主席の訪問で27協定が締結され、バングラデシュは中国から244億5千万ドル(2兆5460億円)の支援を受けることになった。

バングラデシュの13企業は中国の同じく13企業と、13件、136億ドル(1兆4200億円)の合弁協定を締結した。両国間の貿易促進が狙いだ。

ビジネスリーダーや経済学者たちはこれらの協定をバングラデシュにとっての岐路と定義し、政府に対してバングラデシュと中国の双方が勝者となるため、協定遂行交渉に誠実にうまく当たっていくよう提案した。

「協定の締結は積極的なバングラデシュを示唆します。今や世界はバングラデシュのことを次なる"昇り虎(rising tiger)"だとみています」
バングラデシュ商工会議所連盟のアブドゥル マトルブ アーマド会長はいう。

中国政府や民間の投資家はバングラデシュが投資で儲けられる場所であると判断している。バングラデシュはこの数年間、年に6%以上の経済成長を続けてきているからだとアーマド会長。

「バングラデシュでは約400億ドル相当という、これほど大口の投資や貿易協定を締結してこなかったため、今回の協定は歴史的なものです。これは民間部門や政府の継続的な努力によるロードショーのお陰で可能になったのです」

協定を遂行するため、バングラデシュ投資開発局(BIDA)が主導し、民間部門も含める委員会を設けるべきだ。

この委員会は中国の提供資金の交渉や使用に関しての進展を追究する。中国の投資が到着次第、出来る限り早期に委員会を結成するべきだ。委員会は毎月査定報告書を作成し、BIDAが委員会を先導するとアーマド氏。

中国には余剰投資資金があり、さらにジュートやジュート製品、皮革や皮革製品、海産物を始めとした数々の商品をバングラデシュから輸入する必要があるため、どの協定もバングラデシュにとって有意義なものになるだろう。

政策研究所経営責任者のアーサン H マンスール氏によると、中国が世界中で行う投資や南アジアの展望は、中国がバングラデシュの民間部門と政府によるプロジェクトの両方に投資を行う準備ができていることを示しているという。例えば、中国はパキスタンに460億ドル(4兆8千億円)を、インドに200億ドル(2兆800億円)を、スリランカには14億ドル(1460億円)を提供している。中国には社会基盤(インフラ)改善や輸出開発のための余剰資金があるからだ。

「ですから今回中国は、バングラデシュに約400億ドル(4兆1670億円)を投資したのです。我々はこの資金について効果的に交渉を行う必要がありますが、それと同時に我々にこの巨額の資金を使う能力があるかどうか、心に留めておかなければなりません」

「確かに我々はインフラを必要としています。ですが問題は我々の準備が整っているのかどうかです。その資金の費用について、整った情報はあるのでしょうか」

「我々は資金を受け取る前に、プロジェクトにかかる費用やその恩恵を分析する必要があります」

「不必要なプロジェクトに資金を費やしてはなりません。不可欠なインフラプロジェクトに資金を用いる必要があります」

「手始めに、資金の利用について、内部で準備をする必要があります。そうでなければこれらの資金を使用する際、汚職の可能性が生まれるでしょう。我々はこの資金を保護する必要があります」
とマンスール氏。

「中国からの直接投資を誘致する際、我々は多くの事をもっとうまくこなす必要があります。ここ数年で数百人の中国人投資家がやってきましたが、目に見える結果もなく去っていきました」
世界銀行ダッカ事務所リードエコノミストのザヒド フサイン氏は話す。

「これらの失敗の多くは、バングラデシュでビジネスを行う際の費用が高くつくことが原因です。さらに言えば、国内の施設やインフラ欠乏が原因なのです」

「すでに政府が承認している中国投資区の導入進行を速められれば、これらの問題には比較的速やかに対処できるはずです」
フサイン氏は話す。

ダッカ商工会議所会長代理のフマユン ラシド氏は、この協定がバングラデシュにとって岐路であるとした。

「インフラ改善に関する協定が遂行されれば、ビジネスにかかる費用は大幅に削減されるでしょう。バングラデシュの発展のためにインフラや電力、より大きな輸出収入が必要であり、中国はこれらの目標の達成を支援できるのです」

だが、これらの協定の遂行は困難だ。
「win-winの状況を作るために交渉を行う必要があります」

バングラデシュ衣料品製造・輸出業者組合のマームード ハサン カーン バブ副会長は、協定が遂行されればバングラデシュ企業はさらに世界的な競争力を得られると話す。

多くの協定はパイラ海港建設のようなインフラ需要を充足するために締結されたとバブ氏。

パイラ港が開発されれば、バングラデシュ船舶は外国行きの荷物を積み込むため、コロンボやシンガポールによる必要がなくなるとバブ氏は話した。

The Daily Star Oct 17 2016
http://www.thedailystar.net/business/deals-china-turning-point-bangladesh-1299802
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #中国