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先週の習近平国家主席のダッカ(Dhaka)訪問で、中国が資金提供に合意したプロジェクトを実施するため、政府は速やかに動いている。
経済問題に関する内閣委員会は昨日、覚書の署名を交わしてわずか4日のうちに、27億6千万ドル(2860億円)と見積もられる中国からの低金利借款を用いて3つのメガプロジェクトを実施するため、中国企業3社を選定したという。
2つのプロジェクトは鉄道省、残り1つは船舶省の管轄となる。
これらのプロジェクトは10月14~15日の習国家主席の公式訪問の際、資金提供協定が締結された28プロジェクトの一部だ。
バングラデシュ経済関係局は、ダッカが今後5年間で、北京から215億ドル(2兆2278億円)の低金利借款を受けることになると見積もっている。
選定された3企業のうち、中国鉄道建設橋梁工学局集団はアカウラ(Akhaura)-シレット(Sylhet)間のメートルゲージ路線176キロメートルを、デュアルゲージ(三線軌条)路線へ改修する。
このプロジェクトの初期推定費用は18億7千万ドル(1938億円)だ。このうち17億6千万ドル(1824億円)は中国が提供し、残りはバングラデシュ政府が賄う。
デュアルゲージ路線では2つの軌間ゲージが提供される。通常デュアルゲージ路線は、それぞれのゲージで用いる2本の"必須"レール(ゲージレール)と1本の"共有レール"の3本から成る。しかし場合によってはレールの共有ができないことがあり、その際は4本のレールが必要となる。
ジョイデブプール(Joydevpur)-イシュワルディ(Ishwardi)間のデュアルゲージ複線路線173キロメートルの建設は、中国土木工程集団有限公司が選ばれた。推定費用9億4100万ドル(947億円)のうち、中国は7億5300万ドル(780億円)を提供する。残りは政府が負担する。
モングラ(Mongla)港の設備拡張や近代化は中国成套工程有限公司が、推定費用5億5千万ドル(570億円)で行うことになった。このプロジェクトへの中国の支援は2億4900万ドル(258億円)で、残りは政府が支出する。
1つ目と2つ目のプロジェクトは計画委員会が初期承認を出している。モングラ港プロジェクトの詳細についてはすぐに承認は得られなかった。
3企業はすべて入札を行わずに選ばれた。
政府は昨年、プロジェクトの作業についてこれらの企業と、個別の覚書を交わしている。
財務省関係者によると、関係各省は閣議承認に従い、選定企業と商業契約の締結交渉に入るという。、
その後、プロジェクトは国家経済会議実行委員会(ECNEC)と購入委員会に提出される。両者の最終承認を受けた後、中国輸出入銀行との借款協定が締結される。
中国は現行政策の下、輸出入銀行を通じて利率2%の低金利借款を提供する。約定手数料は0.2%、運用手数料は0.2%だ。財務省関係者によると返済期間は20年間で、5年間の猶予期間が含まれるという。
鉄道省関係者によると、プロジェクト費用は初期査定額に基づいて決定されたもので、費用が増大する可能性があるという。
鉄道省の提案内容によると、アカウラ-シレット間のデュアルゲージ化が完了すれば、ダッカからシレットへの所要時間は2時間短縮され、ダッカからチッタゴン(Chittagong)への所要時間は3時間短縮されるという。現在の所要時間はそれぞれ7時間と10時間だ。
提案によれば、この路線はアジア横断鉄道の重要な一部で、地域の接続性について重大な役割を持つとされる。
ジョイデブプール-イシュワルディ路線はアジア横断鉄道のルート1、2、3と接続される。将来的にはこの路線もアジアや亜大陸の鉄道接続に大きな役割を持つことになるだろう。
この路線により、ダッカ-ラジシャヒ(Rajshahi)間の所要時間は現在の6時間半から4時間に短縮される。提案によればダッカからクルナ(Khulna)、ディナジプール(Dinajpur)、ラルモニルハット(Lalmonirhat)への所要時間も2時間短縮されるという。
現在ダッカからこれらの目的地へ移動するには9~10時間を要する。
The Daily Star Oct 20 2016
http://www.thedailystar.net/frontpage/quick-move-execute-3-projects-1301407
翻訳:長谷川
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