私は昨年、木々や花々の写真を撮るためにミルプール(Mirpur)にある国立植物園に何度か足を運んだ。植物園では安らぎの空間を得て新鮮な空気を吸えるだけではなく、訪問者や自然を愛する人々には珍しい木々やハーブ、低木を目にする機会も提供してくれる。
カムデブは植物園にあるそのような珍しい木の一つだ。学名はCallophyllum Polyanthumであり、国内ではキロリやカーン、チャンドゥア、トイロ等の名前で知られている。植物学者のシャムスル ホック氏によると、園内には3本のカムデブの木があるという。カムデブは苗木が作られておらず、接ぎ木も成功していない。
カムデブは中ほどの高さの常緑樹だ。45メートルの高さにまで成長する。樹皮は曲線を描き、黄色や灰色、黒色をしている。厚く尖った葉はまっすぐで、6センチメートルから6.5センチメートルまで成長する。木には4ミリメートルから10ミリメートルの大きさで良い香りの花が咲く。花には萼(がく)片が4つあり、楕円形をしている。花びらは4枚で、雄しべはたくさんある。この木には食べられる果実が実る。楕円形で色は茶色だ。木材の見た目は赤みがかった茶色になる。この木はボートやマスト、様々な家財道具の製作に用いられる。私たちのいる沿岸地域ではガート(河岸階段の船着場)の進入路の製作にも用いられる。インドでは種油を燃料に用いている。苗木は種や挿し木から育つ。花や果実は1月から6月にかけて育つ。カムデブの木はタイやインド、中国南西部を起源に持つ。カムデブに最も近い種であるスルタンチャムパは沿岸部一帯ではかなり一般的な木だ。
植物学の参考図書によれば、カムデブの木はシレット(Sylhet)やコックスバザール(Cox's Bazar)、チッタゴン(Chittagong)の丘陵地一帯の在来種であるとされる。森林局による記録の改訂がないため、これらの地域ではカムデブは絶滅寸前の状態にあるとも考えられる。
チッタゴン大学森林環境学研究所のカマル ホサイン教授によると、丘陵地帯に生息するカムデブの木は僅かであるかもしれないという。
ミルプールの植物園にはかなり数の珍しい木や草花が生息しており植物の種類も豊富ではあるが、この植物園の維持管理は不十分だ。どの木にも名札は付けられていない。さらに、適切な地図も用意されていないのだ。
バングラデシュ/The Daily Star Nov 04 2016
http://www.thedailystar.net/backpage/natue-quest-kamdeb-rare-evergreen-tree-1309339
翻訳:長谷川
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