経済は比較的安定の見通し

経済は比較的安定の見通し
スタンダード・チャータード銀行*は昨日、2017年のバングラデシュについて、比較的安定した見通しを示した。バングラデシュは今年、不安定な世界的シナリオの中で、最も強く成長するアジアの国の一つだという。

今年の経済情勢が昨年とは大幅に異なると見ていると、同行は明らかにした。

米国経済が国内生産力を上げ、物価の低下(デフレーション)を終わらせることを目的とした財政・金融政策(リフレーション)を実施する可能性が楽観主義に拍車をかけているが、この刺激が効果を表すよりも先に、窮屈な財政状態が成長を阻害する可能性があるため、これは大げさだと言わざるを得ない。

窮屈な財政状態はさらなる不安定を招き、多くの新興市場で価格再算定のリスクにつながるだろう。

「2017年はエキサイティングだが、不安定な年になるでしょう。これに関するバングラデシュの見通しは、比較的安定しています」
同行は年末論評で述べた。

だが公共部門の賃金引上げによる消費への効果の減衰と、外国からの送金収入の減少を理由に、バングラデシュの国内総生産(GDP)成長が、昨年の7.1%から6.8%に低下すると予測する。

政府による今年度のGDP成長目標は7.2%だ。

同行は成長を決定づける重要要因である消費部門と外国部問の双方で、より大きなリスクを見ている。

一律の付加価値税(VAT)率の実施(実際には税収は増える)と、輸出の減速を背景に、2017年は消費が低下すると思われる。

外国部門のリスクには、国際貿易が予想より鈍化することや、世界の財政状態の緊縮化が含まれる。

バングラデシュにとり、米国、ドイツに次ぐ輸出市場である英国との貿易は、欧州連合の離脱(ブレグジット)による中期的な影響や、昨年のタカの対英ポンド為替レートの20%上昇に苦しめられるかもしれない。

バングラデシュは社会基盤(インフラ)不足の対応に取り組んでいるため、投資は安定して伸び、今年の成長を後押しするという。

過去5年間、民間部門の投資は、インフラ関連プロジェクトを中心に、年15%で伸びている。

インフラ開発の必要性を満足させるため、バングラデシュはGDPの2倍規模となる約4100億ドル(47兆5500億円)の資金が必要であると、第7時5カ年計画は予測する。

同行によれば、投資制約緩和の進展は遅いものの、昨年は一定の良い進歩があったとする。

またパドマ橋建設はおおむね順調なうえ、重要プロジェクトのダッカ(Dhaka)ーチッタゴン(Chittagong)間、ダッカーマイメンシン(Mymensingh)間の幹線道路が完成することで移動時間と輸送費用が削減され、生産性や貿易が加速されるという。

政府は2016-17会計年度の年間開発支出目標を、140億ドル(1兆6240億円)に引き上げた。支出の大部分は輸送部門とエネルギー部門に割り当てられる。

同行は、物価上昇率がバングラデシュ銀行の目標値に近く、成長持続が期待されることから、今会計年度の政策金利は変化しないとみる。

また必需品価格の低下や金融引き締めから、今会計年度の平均物価上昇率が5.7%になると予測する。これはバングラデシュ銀行の予測よりもわずかに低い数字だ。

外国為替では、タカの基本的な運用者が今後数年間、ドルータカレートの上方修正を求めているという。

同行によれば、タカは実質的な為替レートに対して割高で、国内送金が減速し、貿易赤字は拡大し、バングラデシュは輸出競争力を失っているという。

だが国際収支で黒字が継続している事を考慮すれば、為替レートの修正は、以前の予測よりもゆっくりしたものになるだろう。

「そのため、ドル対タカについての予測を少し下方修正します。2017年末までに、1ドル80タカ(117円)になるでしょう」

*アジア向けの英国系銀行

バングラデシュ/The Daily Star Jan 09 2016
http://www.thedailystar.net/business/banking/economy-stay-stable-1342393
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ニュース #経済