恐らく世界で一番最初に家畜化された鳥であるハトと人間との付き合いは、5千年以上前のメソポタミア楔(くさび)文字の石盤や、エジプトの象形文字にも記録されている。何世紀にも渡って伝書鳩としての評判を得、戦争中には高貴を表す平和の象徴となったこの鳥は、今、ノアカリ(Noakhali)県で希望の象徴になった。ハトを飼育することで、失業中でも成功や経済的自立に繋がっている。
ノアカリ自治体マイジディー出身のMdモシンさんは、文学士を取得して学校を卒業したがずっと無職だった。
「仕事がないので、つがいの鳩50組の飼育を始めました。それが150組に増えました。経費を支払ったうえで、毎月約1万8千タカ(2万6千円)の利益があります」
モシンさんは養鳩場拡大を手助けする政府や民間の支援を求めている。
サダール郡(Sadar)カリシュナラムプール村、2学年のファズラル・ラーマンさんは、10組のハトを趣味で育て始めた。
「すでに125組になりました」
A cage with pigeon and chick. Photo: Star
一方、サダール郡の熱心な養鳩農家ジャマル・ホサイン・ビシャドさん(38歳)は、マイジディーにある借家の一部屋に大きな飼育施設を作った。
「約225組のつがいがいます。25万タカ(36万円)の飼育場です。ハトの飼料や薬、従業員の給料を引いても、月に3万タカ(4万4千円)以上の収入を得ています。冬場はもっと少ないですが」
同僚のドロン・クマール・ナフさん(42歳)は、サダール郡のメインストリートに面した持ちビルの2階を養鳩場にしている。「私の飼育場は完全にビジネス用です。最近では国内外の種類300組を飼育しています。35万タカ(50万6千円)の資本で養鳩場を始め、今、月に4万タカ(5万8千円)の利益があります」
複数の農家は、ハトの飼育は県内の薬物中毒の若者に効果的で、脅威を排除することが証明されていると期待を表した。
だがノアカリの養鳩産業は、限られた技術協力、きちんとした飼育施設のなさ、政府の援助不足により、飼育への障害に直面している。牛や鶏、アヒルの薬は市場で入手できる一方、ハト用の薬はない。養鳩農家はハトを治療するため、他の家禽用薬に頼っている。
それでも趣味や仕事として、ハトの飼育が知名度を増している。チャンスを知った地元の若者は、様々な種類のハトをダッカ(Dhaka)やナトール(Natore)から持ち込み、ノアカリやラクシュミプール(Lakshmipur)、フェニ(Feni)に持ち込んでいる。農家によると、種類によって違うが、ハトのつがいは3万~12万タカ(4万4千~17万4千円)で販売されるという。
ノアカリの養鳩農家の成功に影響を受けた大勢の若者は、一斉に屋根や庭、家で鳩の群れを飼育している。
ノアカリ県のMdジアウル・ラーマン家畜官は、現在、県内に大小284カ所の養鳩場があって、推定7142組のつがいがいるという。
「農家が私たちの家畜事務所を訪れれば、最大限の助言を与えます。ですが人手不足のため、サービスは常に満足のいくものとはなりません」
人員補充は間もなく完了すると、ラーマン氏は補足した。
バングラデシュ/The Daily Star Jan 18 2017
http://www.thedailystar.net/country/pigeons-spell-success-the-unemployed-1346758
翻訳:米澤
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