ロヒンギャ問題の解決を

State Minister for Foreign Affairs Md Shahriar Alam addressing the Extraordinary Session of the OIC Council of Foreign Ministers in Kuala Lumpur, Malaysia, on Thursday, January 19, 2017. Photo: PID

State Minister for Foreign Affairs Md Shahriar Alam addressing the Extraordinary Session of the OIC Council of Foreign Ministers in Kuala Lumpur, Malaysia, on Thursday, January 19, 2017. Photo: PID

バングラデシュは昨日、ロヒンギャ問題に対する永続性のある解決策を取るようOIC(イスラム協力機構)に促した。ミャンマーは早急にラカイン州の常態を取り戻し、バングラデシュに避難した同国の少数派イスラム教民族(ロヒンギャ)の本国送還と社会復帰のために緊急措置を講じるよう求めた。

さらにラカイン州のイスラム教徒の基本的人権の確保、難民の帰国、ロヒンギャの本国送還、現在の排他的な国籍法の見直しを伴う市民権の回復を求めた。

要請はMd・シャフリアル・アラム外務担当国務大臣が行った。彼がロヒンギャ問題を話し合うOIC委員会の臨時会議に参加したバングラデシュ代表団を率いた。

仏教徒が多数派のミャンマー軍兵士は、3カ月で推定6万5千人のロヒンギャを越境避難へと追いやった殺人、レイプ、数千軒の家屋への放火などの暴力について非難された。マレーシアのナジブ・ラザク首相はクララルンプールで開かれたOIC会議の開会を宣言した。その中でイスラム教徒ロヒンギャが受け続ける苦難に、沈黙したままではいられないと話した。首相はミャンマーに対し、ロヒンギャへの基本的人権の否定や虐殺、暴力を終わらせるよう求めた。

外務省の記者会見によると、OIC加盟国は10年に渡って数万人のロヒンギャを受け入れたバングラデシュの寛容と努力に感謝し、彼らの早急な本国送還を要請したという。

シャフリアル大臣はラカイン州の不安定な状態が再び起こり、結果としてロヒンギャが故郷から追い立てられ、バングラデシュへ避難を強いられるのではないかというと懸念を表明した。

問題の恒久的な解決策として、ラカイン州のイスラム教徒の基本的人権の保証、特に市民権の回復を強調した。さらにバングラデシュに一時避難している全ミャンマー国民を、国籍ありなしに関わらず、本国、さらには故郷ラカイン州へ送還するための緊急措置をミャンマー側に求めた。またOICに、問題の恒久的解決のための対策を続けるよう促した。

OIC特使としてミャンマーを訪れたのハミッド・アルバー氏は、暴力支配や人権侵害、国家が後ろ盾となった暴力によるロヒンギャの窮状に関する報告書を提出した。また人権理事会など国際機関によるミャンマーへの働きかけや、暴力停止の呼びかけの必要性を強調した。

インドネシアのレトノ・マースディ外相は、コックスバザールの訪問や、新たな難民との面会を調整してくれたバングラデシュに感謝を示し、早期にラカイン州都シットウェを訪問して会議を行うことを表明した。

OIC加盟国はロヒンギャの窮状について懸念を表明し、ロヒンギャに対する差別や暴力を終わらせるよう呼びかけた。

会議の終わりに早急な残虐行為の停止、人道支援者の現地への立入許可、差別撤廃、現在の法律の見直しを伴った市民権回復など基本的人権の確保、ラカイン州への難民帰還、ロヒンギャの本国送還などを盛り込んだ決議と公式声明が採択された。

OIC加盟国は事務局長によるミャンマーへのさらなる働きかけや、国連やその他の国際・地域団体による人道的状況の対処、永続的な解決策の探求を促した。

シャフリアル大臣はその後、マレーシアのアニファ・アマン外相、カタールのスルタン・ビン・サード・アル・ムライキ外務担当国務大臣、トルコのアメット・イルディズ副大臣と二国間協議を行った。またOIC事務局長とも会談を行った。

<ロヒンギャ迫害の終結>

共同通信によると、昨日マレーシアはOICに対し、少数派イスラム教徒ロヒンギャの迫害と殺人を終結させるようミャンマーに圧力をかけるよう迫った。

マレーシアのナジブ・ラザク首相は、衝突が解消されなければ、南アジア地域は難民の流入を目の当たりにするだけでなく、ISなどのテロ組織の利用や潜伏場所を生み出すだろうと警告した。

「2015年の“漂流難民”危機の繰り返しを避けるため、近隣諸国へ呼びかけます」
首相は2015年に故郷ラカイン州を逃れ、マレーシアやインドネシア、タイに漂流した数千人のロヒンギャを話題に出した。

ナジブ首相は、マレーシアはラカイン州に学校や病院などのインフラ施設を建設するため、225万ドル(2億6千万円)を寄付すると話した。

マレーシアでは約5万6千人のロヒンギャ難民が暮らしている。

ミャンマー人口5千万のうち、ロヒンギャは100万人を占める。政府はロヒンギャを国内にいる135民族のひとつとして認めていないため、市民権を否定している。

OIC理事のアル-オタイミーン氏は、昨年10月の軍による取締り以降、死亡者や破壊の悲惨な写真とともに"軍兵士による司法権の及ばない殺人、家屋への放火、恣意的な逮捕"の報告書を受け取ったと話した。

また、2016年10月9日~2017年1月5日の間、バングラデシュへ6万5千人が避難したとする国連人道問題調整事務所の報告書を引用した。

全OIC加盟国にとり、少数派イスラム教徒ロヒンギャの保護は憲章に則った義務であると、アル-オタイミーン氏は話した。

バングラデシュ/The Daily Star Jan 20 2017
http://www.thedailystar.net/frontpage/dhaka-calls-urgent-steps-find-solution-1348063

翻訳:米澤
#バングラデシュ #ニュース #ロヒンギャ