英国の衣料品小売大手ネクストPlcはバングラデシュへの注文量を大幅に減らしたとして、バングラデシュはすでに英国のEU脱退の痛手を感じ始めていると、調達業者上層部は話した。
英国最大の売り上げを誇る小売企業ネクストは、2016年、バングラデシュから2億6千万ドル(298億円)の衣料品を仕入れる予定だった。
だが最終的にネクストは衣料品を約1億8千万ドル(207億円)しか仕入れなかったと、ネクストの上級商品担当者が匿名を条件に電話で話した。
匿名のネクスト下請けの仕入れ業者上層部はデイリースター紙に対し電話で話した。
「ネクストは毎年、予定より1千~2千万ドル(11.5億~22.9億円)多く購入します。昨年は例外でした」
ネクストは5億ドル(574億円)以上の衣料製品を、2つの方法で仕入れるという。縫製工場から直接仕入れるか、仕入れ業者を通して間接的に仕入れるかだ。
代理店を通じて仕入れる量も昨年は減少した可能性があると、商品担当者は話す。
昨年6月のEU離脱の衝撃でポンドは急落し、英国の輸入は費用負担増となった。英国のインフレ率はこの2年で最も高くなった。
「本年も厳しい年になる見通しです。そのため厳しさを増す状況に備え、正規価格の売り上げ予算を設定しています」
1月4日、ネクストは声明で述べた。
「2015年11月から第4四半期までずっと減少が続いたということは、来年も衣料品や靴への消費支出が、周期的に減少することを意味します」
この影響に加え、さらに売上げを低下させる可能性がある2つの要素がある。
「インフレが実際の収入の伸びを阻害し、さらなる一般消費の縮小に直面する可能性があります」
衣料品は通常価格より値上がりすると同社は予測するが、5%を越えることはない。
「これにより、売上げが約0.5%低下すると予測しています」
ネクストのシモン・ウォルフソン取締役はこのような背景から、昨年12月22日、バングラデシュの取引業者へ厳しい状況を説明するための会議を開いた。長年取引のあるエンボイグループのサラム・マーシェディ社長が話す。
「長い間このブランドと取引をしていたので、維持可能な事業提携を模索しました。しかしネクストは衣料品価格の値引きや仕入れ量削減は求めてきませんでした」
だが英国のEU離脱やポンド下落が、英国の消費者を締め付けているのは間違いないと、マーシェディ社長は話した。
ネクストは1982年に設立され、約750店舗を所有する。そのうち550店舗は英国とアイルランドにある。2016年の総売り上げは41億ポンド(5813億円)に上り、前年よりわずかに増加した。
英国はバングラデシュにとり、アメリカ、ドイツに続く3番目の衣料品輸出相手国だ。
輸出促進局のデータによると、2015-16会計年度、バングラデシュの英国への衣料品輸出は35億2千万(4041億円)と、21.37%上昇したという。
バングラデシュ/The Daily Star Jan 20 2017
http://www.thedailystar.net/business/early-brexit-impact-garment-exports-uk-1348057
翻訳:米澤
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