日本人の小林博子さん(88歳)は、日本のフラワーアレンジメント芸術“生け花”を教えている。 40年以上の経験を持ち、プロの写真家としても経験豊富な彼女は、芸術の美をとらえる確かな目を持つ。だがバングラデシュ南西部ジェナイダ(Jhenidah)県や北部ポンチョゴラ(Panchagarh)県では、彼女の別の美しい行為、寛大さに尊敬の念を持たれている。彼女は学校やカレッジに通うバングラデシュの少女たちへ、経済的援助を行っているからだ。
「ジョソール(Jessore)理工学校で土木工学を学びます。もし彼女が親切に手を差し伸べてくれなかったら、私は中退していたでしょう。とても感謝しています」
ライグラム村のソマ・ラニ・ダスさんはいう。ソマさんはジェナイダ県カリゴンジ(Kaliganj) 郡の“博子奨学金”の45人の奨学生うちの1人だ。他にポンチョゴラ県ブダ(Buda)郡に奨学生はいる。
「私は今、ジョソール女子カレッジ修士課程の最終年度です。博子さんのおかげで勉強することができます」
カリゴンジ郡バラカンダプール村の奨学生ジュムール・カツーンさんはいう。
博子さんが日本とバングラデシュを結ぶ学びの懸け橋となったきっかけは2003年へと遡る。その年博子さんは、日本のNGO組織ハンガーフリーワールドの仕事のため、初めてバングラデシュを訪れた。そこでカリゴンジ郡モスタバプール村のカディザ・カツーンさんが、高等学校資格証明(HSC)試験を受けるのに十分なお金がないことが原因で自殺したことを知った。
カリゴンジにいる博子さんの知人によると、博子さんもまた貧しい家庭で生まれ、学校を続けるために何度も融資に頼ったという。だからカディザさんの悲劇が心に響いたに違いない。それで博子さんは具体的な行動をとることにしたのだと話す。
「博子さんの目的は女子生徒に希望を持たせることです。彼女は子どもの頃から女性の人権を大切にしていて、経済的に恵まれない子どもたちに寄り添いたいと思っています」
奨学金の責任者ハフィズル・ラーマンさんはいう。
奨学金受給者の唯一の条件は、経済的自立を果たすまで結婚しないということだ。彼女たちが収入を確保し、余裕ができた後、次世代の貧しい子どもたちを助けることも博子さんは期待している。
「博子さんは毎年3月にバングラデシュを訪問します。彼女は生きている限り、奨学金プログラムを続けたいと話しています」
ハンガーフリーワールドのアンジュマン・アクター理事は話した。
バングラデシュ/The Daily Star Feb 12 2017
http://www.thedailystar.net/backpage/japan-love-1359700
翻訳:吉本
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