職場の銀行で忙しい1日を過ごしたライハン・アーメド氏は、くたくたになって帰宅した。彼は完全な休息を望んだが、6歳の息子は父親の帰りを手ぐすね引いて待っていた。おかげで屋上でゲームをする羽目になった。
近くに遊び場がないため、小さな子どもたちは父親が帰って来るのを一日中待っている。そして屋上へ連れて行くのだ。子どもたちは1日中オフィスで働いた父親の疲れがどのくらいのものなのか、理解していない。
「子どもがかわいそうだと思います。でも私はくたくたになって家に帰ってくるのです。それにも関わらず息子を屋上へ連れて行って、遊ばなければならないのです」
ライハンさんは話す。
「もし学校にグラウンドがあれば、息子の不満は少ないでしょう。不幸なことに彼の学校はビルの中にあって、グラウンドがないのです」
ライハン・アーメドさん親子のように、ダッカに住む子どもたちのほとんどが通う学校にグラウンドがなく、同様な辛い体験をしている。
反タバコ組織であるワーク・フォー・バングラデシュ(WBB)の調査によると、ダッカの学校の約64%が体育の授業やコース、運動会を行っていないという。
政府の規則では、ダッカの小学校や幼稚園ではグラウンド持たなければならないことになっている。
だが状況は全くの反対だ。ダッカに住む子どもの少なくとも67%は、どこにも遊び場がないと主張する。
遊び場不足のため、ほとんどの子どもたちはテレビを見るか、コンピュータやタブレット、スマートフォンなどの電子機器を使ったゲームに時間を費やしている。
「5歳の息子は、世界がテレビや漫画で見ているファンタジーだと思っています。またゲームキャラクターと同じ言葉で話そうとしています」
政府職員のジャハナラ・パービーンさんは話した。
WBBの調査によると、ダッカに住む子どもたちの約47%が、テレビを毎日3時間以上見ているという。
国立メンタルヘルス研究所准教授のヘラル・アーメド博士は、子どもの全ての発達にとって遊び場はとても重要だと話す。遊びや運動をする場所を持たなければ、精神的、肉体的な成長に深刻な影響を与えるという。
「子どもたち、特に都市部に住む子どもたちは、コンクリートの建物に閉じ込められて社会性が奪われています」
「そんな子どもたちは学業成績は良いかもしれませんが、適切な社会的スキルは発展しないでしょう。最近、そんな子どもたちの18%がほとんど室内から出なくなり、精神的苦しみに悩まされていることが報告されています」
メンタルヘルスの専門家は話した。
数十人の保護者は当局との対話の中で、すべての学校でグラウンドを確保してくれるよう要望した。
バングラデシュ/The Daily Star Mar 26 2017
http://www.thedailystar.net/city/wherell-the-children-play-1381504
翻訳:吉本
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