データ通信サービスやインフォテイメント(information+entertainment)の人気上昇を背景に、2016年の携帯電話会社利用者1人当たりの収益額は増加した。
バングラデシュ携帯通信会社協会(AMTOB)によれば、2016年の顧客1人当たりの平均収益額は市場リーダーのグラミンフォンが対前年比4.52%増の162タカ(221円)、ロビが0.7%増の144タカ(197円)、バングラリンクが7.5%増の129タカ(176円)だった。
だが、昨年は利用者が実際に携帯電話サービスに対してより多くのお金を使ったわけではないという。昨年行われた生体認証による再登録で加入者のベースが凝縮されため、利用者当たりの平均収益が増加した。要は、各社の稼ぎは変化していないのだ。
歴史的に見れば、携帯電話会社の顧客1人当たりの平均収益額は減少傾向にある。
例えば、2011年時点でSIM1個当たりの平均収益額はグラミンフォンが214タカ(293円)、ロビが178タカ(243円)、バングラリンクが143タカ(195円)だった。
この傾向が続けば、この部門にはこれ以上の投資が行われなくなる可能性がある。
6月1日、2017-18会計年度予算が議会に提出される前、AMTOBは財務相や歳入庁(NBR)、その他の利害関係者に苦情を提出した。
「この状況は長期的には続かないかもしれません」
AMTOBのTIM・ヌルル・カビル事務局長は話す。
バングラデシュの携帯電話会社はベトナムに次ぎ世界で2番目に安い料金でサービスを提供しているが、最も高い部類の税率が掛けられている。
通信業は強い規制を受ける業界で、携帯電話会社は「政府の承認を受ける必要がある」ため、思い通りに料金を引き上げることすらできないとカビル氏はいう。
「バングラデシュの1人当たりの収入は増えました。通信料金以外の全てが値上がりしつつあります」
携帯電話会社の支出も大幅に増えているという。
そのため、政府に対してこの問題を検討するようカビル氏は訴えた。会社の収入はその会社の収益能力や持続性に繋がるからだ。
「近隣諸国では政府や規制当局が料金の引き上げを補助していますが、それが究極的にはデジタル化の支援となります」
カビル氏は補足した。
大手携帯電話会社の幹部職員らもNBRに対し、最終的にはサービス品質の向上につながるとして料金の引き上げを補助するよう訴えた。
携帯電話会社は娯楽や電子教育、ゲーム、電子商取引、公共料金支払いなどの新サービスに進出することで収益を増やそうと真剣に取り組んでいる。
現在、通話料金には上限と下限が設けられ、国内通話の場合は下限が毎分0.25タカ(0.31円)、上限が毎分2タカ(2.73円)だ。
データ通信やショートメッセージサービス(SMS)料金も激しい市場競争で大きく低下している。
一方、顧客は携帯サービス料金の引き下げを望んでいる。
バングラデシュニュース/The Daily Star Jun 22 2017
http://www.thedailystar.net/business/mobile-operators-revenue-user-goes-1423747
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #携帯電話サービス #規制を受ける業界
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