輸出業者によれば、2016-17年度当初11カ月間の日本への輸出額は、商品価格低下や昨年ダッカ(Dhaka)で発生したホーリーアルチザン襲撃事件に伴う安全上の懸念から3.7%減少し、9億4547万ドル(1043億円)となったという。
輸出収入は輸出促進局(EPB)の目標額の11億2千万ドル(1236億円)に16.09%届いていないが、輸出業者は年度末までに10億ドル(1103億円)に到達することを期待している。この金額は欧州連合(EU)や米国、カナダ市場では既に到達した。
バングラデシュにとって日本はアジア最大の輸出先で、市場では良質な衣料品や皮革、ジュート、ジュート関連製品に対して有望な収益を提供してくれる。
過去数年間、日本への輸出は年20%近くの勢いで伸びていた。
中国やインドといった、他のアジア諸国からの年間輸出収入は現時点でそれぞれ7億ドル(772億円)付近で推移している。
2008年と2009年の不景気が欧米諸国に悪影響を与えたことで、日本をはじめとするアジア市場への輸出が伸び始めた。
さらに、バングラデシュ政府は日本や中国、インドのような新しい輸出先を模索するための刺激策を提示している。EUや米国、カナダといった従来の輸出先を除いた世界中の全ての市場が新たな輸出先とみなされる。
日本政府が後発発展途上国からのニットウェアや織物衣料品の輸入について原産国規則を緩和したことも触媒となった。
これによりバングラデシュは関税免除の貿易特権を付与され、年間400億ドル(4兆4143億円)以上の価値がある日本の衣料品市場に対し、中国やインド、パキスタンのような競争優位性を得ることとなった。
「バングラデシュから日本への衣料品輸出は年々増えています。日本の小売店からは良い反応を得ています」
バングラデシュニットウェア製造輸出業者組合のモハマド・ホテム前会長は話す。
EPBのデータによれば、バングラデシュは7月から5月にかけて6億9632万ドル(768億円)の衣料品を輸出したという。このうち3億7438万ドル(413億円)が織物で、3億2194万ドル(355億円)がニットウェアだ。日本政府は2008年に"チャイナプラスワン"政策を採択し、衣料品や電化製品、家庭用品などについて、中国への過度な依存の改善を目指している。
「全体的に、日本の消費者は品質を気にします。彼らは何年もかけてバングラデシュの製品を試し、現在バングラデシュを選び始めました」
日本バングラデシュ商工会議所のタレク・ラフィ・ブイヤン事務局長は話す。
衣料品以外でもバングラデシュの皮革やジュート、ジュート関連商品が日本で高い成果を出しているとブイヤン氏。
だが、昨年7月1日にダッカ外交区で発生したイタリア人9人と日本人7人、バングラデシュ人3人、インド人1人の命を奪った事件後、日本政府が警戒警報を出したことで、日本人は安全に関する懸念をいくらか抱いている。
「日本は我々にとって非常に有望な市場です。輸出収入の更なる増加を期待しています」
バングラデシュは既に、ナラヤンガンジ(Narayanganj)県アライハザール(Araihazar)を日本の投資家向け経済特区用地として選定していると、ブイヤン氏は話した。
バングラデシュニュース/The Daily Star Jun 25 2017
http://www.thedailystar.net/business/apparel-makers-aim-1b-japan-despite-dip-1425265
翻訳:長谷川
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