BTRC、新規事業者の参入望む

バングラデシュ通信規制委員会(BTRC)は、携帯電話会社2社が合併して1社が閉鎖しかけていることを受け、新規事業者を受け入れるて競争の促進とデジタルサービスの繁栄を目指す。

2016年、ロビとエアテルが合併した。一方、国内最古事業者のシティテルが10カ月間営業を停止し、その免許が失効する予定だ。

つまり、市場プレイヤーが6者から突如として4者に減ったことになる。市場はグラミンフォンとロビとバングラリンクで97.3%を支配する。

市場シェアの残り2.7%は唯一の国営事業者テレトークが抱えていると、BTRCの報告書は述べる。

最後に免許が付与されたのは2005年、エアテルへの付与だった。

少なくとも1者以上の新規事業者が競売に参加することを期待していると、BTRCのシャージャハン・マームード会長は話す。

「3分の1の事業者が市場を去ったため、我々は新たなプレイヤーの参入を待ち焦がれています」

次回の帯域競売は2~3カ月以内に開催される予定だ。

BTRCは第4世代(4G)の免許ガイドライン草案を作成したが、ここには新規事業者が参入する余地が用意されている。

だが、専門家は新しい投資家を誘致することは容易ではないと話す。スリランカを拠点とするシンクタンクLIRNEアジアのアブ・サイード・カーン上級政策研究員によれば、新たな投資を誘致するには規制に関する確実性が欠かせないという。
「ですがこの部門には、予見可能性がありません」

「最も重大なのは、規制によってこの部門から競争が追放されたことです。これは市場にとって大きな妨げです」
カーン氏はかつてバングラデシュ携帯電話通信事業者協会の事務局長を務めていた。

大手携帯電話事業者の匿名希望の幹部職員によれば、この部門に関しては通信だけではなく財務や課税に対する適切な規制もなかったという。
「そのため現存の事業者は搾取を行い、新しい事業者が参入する機会が生まれませんでした」

カーン氏によれば、世界的な通信大手NTTドコモとエアテルがバングラデシュでの事業を縮小したことが、投資家に悪い兆候を見せたという。

2008年、NTTドコモはロビの株式の30%を取得したが、投資意欲を失い、2度に渡って株を手放した。ロビが合併した現在、NTTドコモが保有する株式はわずか6.3%だ。

2006年にはワリド(パキスタン)がバングラデシュで事業を始めたが、株式の70%を10万ドル(1103万円)でエアテルに売却した。

バングラデシュ消費者委員会の報告によれば、エアテルは残りの株式を取得し、約1千億タカ(1367億円)を投資して581億タカ(794億円)の損失を出したとされる。

過去10年間、通信事業者は一切のインフラ建設を許可されておらず、グラミンフォン以外は光ファイバーケーブルネットワークを保有していなかった。そのため、新規事業者には投資をする動機がほとんどなかったとカーン氏はいう。

サジーブ・ワゼド・ジョイICT問題首相顧問は5月に開かれた通信関係者との会議の中で、BTRCに対し、世界のトッププレイヤーにバングラデシュへの投資を求める文書を出すよう指示した。

BTRCによれば、すでに1社とやり取りしたが、バングラデシュへの参入をためらっていることが分かったという。そのためBTRCは新たな勧誘の際、より保守的になった。

「この情報は利害関係者の間に拡散しました。ですので、正式に新たな勧誘を行う必要がないのです」
BTRCの幹部職員はデイリースターに明かした。

3G帯域競売が実施される前の2013年、BTRCは市場に新たなプレイヤーが参入するための下地を形成したが、当時プレイヤーが6者いたにもかかわらず前向きな反応は得られなかった。

当時の市場は過密状態で、新規事業者が参入する余地がほとんどなかったと専門家は話した。

バングラデシュニュース/The Daily Star Jul 07 2017
http://www.thedailystar.net/business/regulator-wants-new-mobile-operator-1429603
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #携帯電話 #市場