政府が付加価値税(VAT)新法の実施を2年間延期したことを受け、世界銀行の使節団は来週ダッカ(Dhaka)を訪問し、VAT制度のデジタル化や近代化の進捗を査定する予定だ。
さらに、新法実施を延期したことによる影響の査定も行う。新法では現行のVAT法1991に基いて施行されている複数段階のVAT税率を廃止し、一律15%のVATを賦課しようとしている。
世銀の公共部門の専門家で、国内収入の活用に関する世界的な先導役であるラウル・フィリックス・ジュンケラ・ヴァレラ氏が率いる使節団は、歳入庁や経済関係局高官と会合を行う予定だ。
7月16日から20日にかけて開かれる会合で状況の査定が行われる。
使節団の査定は、世銀のVATオンラインプロジェクトに対する今後の資金援助に関わってくるだろうと関係者。政府が採択したこのプロジェクトは、VAT行政における収入活用や透明性の改善を目指すものだ。
世銀は2014年、バングラデシュのVAT行政制度の近代化や税収額増加を支援する目的で、6千万ドル(66.2億円)の無利息融資を行った。
プロジェクトでは2014年3月時点で3.7%だったVATの対GDP比を、2020年6月30日までに4.7%に引き上げることを目標としている。
さらに、VAT部門の運営の近代化による自発的なコンプライアンス順守の拡大や、統合的なVAT管理システムの導入、機関の強化、能力開発も目的としている。
NBR上級職員によれば、世銀の使節団は定期的に訪問を行い、全体的な状況の査定を行うという。
だが、今月から実施することになっていた新VAT法を延期した現状では、使節団による査定は重要なものとなるだろう。
財務省の文書は、2月までにこのプロジェクトに12.2億タカ(16.7億円)を費やしたと記す。
職員によれば、政府はこのプロジェクトに総額約1800万ドル(19.9億円)を支出する一方、世銀は7月までにVAT制度の機械化や近代化のために2千万ドル(22.1億円)を支出したという。
「世銀からの残りの資金援助は、使節団の査定に大きく影響されるものと見られます」
職員は補足した。
国際通貨基金による指示に従い、また10億ドル(1,103億円)の拡大クレジットファシリティ融資の条件を満たすため、政府は2012年に新VAT法の枠組みを形成したが、施行の期限を2度変更した。前回の期限は2017年7月だった。
だが、土壇場になって政府は、事業者やロビー団体による反対やインフレの悪循環に対する懸念により、現行のVAT法1991を継続することを決定した。
昨12日までに、4万1081の事業者が9桁の事業者識別番号のオンライン登録を行った。NBRによれば、このうち2万5679事業者は再登録、1万5402事業者は新規登録だったという。
バングラデシュニュース/The Daily Star Jul 13 2017
http://www.thedailystar.net/business/banking/wb-assess-progress-vat-digitisation-1432231
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #VAT #世界銀行
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