モウルビバザール(Moulvibazar)県やシレット(Sylhet)県のハオール(湿地帯)では、漁で生計を立てている人々の多くが苦難の日々を過ごしている。雨季を迎えた今の時期でさえも魚が獲れないためだ。
漁業官や農家、漁師らによれば、今年の4月中旬にハオールで洪水が発生したことで広い範囲で稲が腐敗し、それに伴って複数の種類の魚が大量死したという。
「子どものころから魚を捕まえていましたが、ハオールでこれほどの魚の危機を経験したことはありません」
モウルビバザール県クラウラ(Kulaura)郡ミルサンカール(Mirsankar)村に住む年配の漁師、セカールさんは話す。
「普段この季節にはルイやアイール、カトラのような大型魚や、パブダ、エビ、チェラ、チャピラなどの小型魚介類が獲れるのですが、今年はほとんど見かけなくなってしまいました。1日100タカ(136円)分の魚をかろうじて獲れる程度で、家族を養うことが非常に難しくなっています」
セカールさんは付け加えた。
「毎年この季節には大型魚を捕まえて沢山稼いでいました。ですが今は状況が違います。私の6人家族は食糧危機の中で日々を過ごしています」
クラウラ郡サディプール(Sadipur)村の漁師、モドン・ビスワスさんは話す。
「ハオールの漁で生計を立てている多くの人は、他の仕事の経験がありません。なので、彼らは何も仕事をせずに日々を過ごしています」
シレット県フェンチュゴンジ(Fenchuganj)郡チャンドプール(Chandpur)村の漁師、チャラン・ビスワスさん(46)は話した。
「子どもの学費など、家族の出費を賄うため、すでに沢山のお金を借りています」
チャランさんは話す。
モウルビバザールやシレットに住む多くの漁師が同様の事態に陥っている。
「災害対策大臣がバデガート(Badeghat)を訪問した際に行った発表の後、私たちカード(VGF:弱者食糧支援カード)を持つ漁師は希望を得ました。ですが、どれだけの漁師が食糧支援を得られるかについて指示が出ていないため、私たちは今も支援を待ち続けています」
バデガート地区のクトゥブ・ウディンさんは話す。
クラウラ上級漁業官のモハンマド・スルタン・マームード氏によれば、今年の4月中旬、ハオールで半ば熟した稲が腐敗したことで、プティやテングラ、ヴェダ、バイラ、ボアル、パブダ、スイといった様々な種類の魚が死んだという。
稲に使われていた殺虫剤が水と混ざり、ハオールの水の酸性度が増したことで魚の死を引き起こしたとマームード氏は話した。
モウルビバザール県漁業官のアブドゥル・クッドゥス・アカンダ氏によれば、県内にはVGFカードを保有する漁師が1万3400人いるが、魚の大量死で困窮している漁師に支援を行う取り決めは全くなされていないという。
シレット県災害対策復興事務所関係者によれば、県内のVGFカード保有者5万5千人が3カ月間の食糧支援を受けているが、漁師に対する支援を行う個別の指示はないという。
バングラデシュニュース/The Daily Star Jul 13 2017
http://www.thedailystar.net/country/hard-time-haor-fishermen-1432324
翻訳:長谷川
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