ファリドプール(Faridpur)のムンシバザールに住むラル・ミアさん(55歳)は、平日の午前9時に仕事を始める。灼けつくような暑さの中、びしょびしょになる雨の中、あるいは厳しい寒さの中でもラルさんはリキシャを発進させる。コイジュリ(Koijuri)ユニオン内の6つの村を回り、午前10時30分にはファリドプールタウンに戻ってくる。ラルさんは18年間、職場へ向かう人たちに暖かい弁当を配達しているのだ。簡単な仕事として始められたものは、いまでは愛の仕事となった。
「私の仕事はお金のためよりも責任感からのものです。お客は我が子のようなものです。私はこれ以外の仕事を楽しむことはできないでしょう。ランチの配達は私の情熱です」
ラルさんは話す。
顧客はラルさんに"食糧大臣"と言うあだ名をつけており、ラルさんもこれを気に入っている。ラルさんの顧客も彼と同じように義理堅い。
「彼(ラルさん)は最悪の天気の時でさえも時間通りに弁当を持ってきてくれます。ラル・ミアさんはとても信頼できる人です」
クホークバザール(Chawkbazar)で行政の仕事に就いているリコン・クマル・ダイさんは話す。
「彼は10年間私の弁当を運んでいて、時間をきっちり守ってくれます。彼のお陰で自家製の料理だけを食べることができています。彼がいなければ私の食事は不健康なものになっていたでしょう」
ニルトリ(Niltoli)にある商店で働くアロク・ショルマさんは話す。
同じくニルトリで働いている宝石商のゴウランゴ・コロモカルさんも満足している顧客の一人だ。
「私は最初、私の家から食事を持ってくるよう彼に頼みました。店を閉めてランチを食べに行くわけにはいかないからです。彼は良い人です。仮に彼が病気になったとしたら、来られない旨を私たちに電話してくれます」
ラルさんは毎日45食ほどの弁当を配達している。
「私が食事を預かっている彼らの家族とも良い関係を築いています」
とラルさん。ラルさんは妻と3人の娘、1人の息子と一緒に暮らしている。
午後、ランチを全て配達し終わってもラルさんの仕事は終わらない。ラルさんはソナリ銀行地区に行き、顧客のためにきれいな水を汲んでからそれぞれの職場に空の弁当箱を受け取りに行く。夕方には回収した弁当箱をそれぞれの家に配達しながら家路につく。ようやく彼の仕事は終わり、次の日に再びこの仕事を繰り返す準備が整ったのだ。
バングラデシュニュース/The Daily Star Jul 21 2017
http://www.thedailystar.net/country/faridpurs-food-minister-1436362
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #ファリドプール #配達人
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