特区で外国直接投資を許可

政府は経済特区(SEZ)で既製服部門への外国直接投資(FDI)や、バングラデシュの高級ファッション品へのFDIを許可する見通しだ。トファイル・アーメド商業相が2日に明らかにした。

長年にわたり、多くの国の投資家が政府に対して輸出加工区(EPZ)外で既製服部門に投資を行う許可を求めてきたが、FDIは特別な区域のみに制限された。

商業相は外国の投資家がEPZ外で既製服部門に投資を行うことに制限はないと認めたが、通常EPZ外では国内の投資家を保護するため、そのような投資は許可されない。

「ですが、我々はSEZでの衣類部門へのFDIを許可します。政府はそのような経済区を国内に100カ所設けるべく取り組んできました」
商業相はこう話した上で、現在、高級ファッション品への投資は、EPZ外であっても外国の投資家に許可されていると補足した。

経済特区庁は国内企業や日本、インド、中国などの国に土地を貸し出し、経済特区を国全体に開発するため精力的に取り組んでいるが、まだどのSEZも機能していない。

中国や日本、メキシコの衣類製造企業の多くが工場をバングラデシュに移転させようとしているが、衣料品部門には国内の企業家が多額の投資を行っているため、政府は割引価格での移転を許可できないと、商業相はいう。

政府は国内にいる日本の投資家向けに、既に1カ所のSEZを割り当てた。日本の投資家はバングラデシュのSEZに投資できる。商業相は在バングラデシュ日本大使の渡邊正人氏との会談後、記者団に語った。

商業省によれば、現在バングラデシュ国内には日本の投資家が350存在し、その多くは大型の多国籍企業だという。10年前の時点で国内に存在していた日本企業は50社だった。

日本への衣料品を中心とする輸出は、原産地規則の緩和の下、関税免除の恩恵を受けて伸び続けている。輸出促進局のデータによれば、2016-17会計年度は日本への衣類輸出で7億4447万ドル(821億円)の収益が生まれたという。日本の衣料品市場は年間約400億ドル(4兆4142億円)規模だ。

同年度の日本への総輸出額は5.6%減の10.1億ドル(1114億円)だった。アジアの輸出先でバングラデシュの総輸出額が過去2年間10億ドル(1103億円)を超えたのは日本だけだ。

2008年に日本政府が"チャイナプラス1"政策を採用し、衣料品や電子部品、家電製品などの中国への過度の依存を減らす取り組みを始めたことで、バングラデシュから日本への衣料品輸出が始まった。

"チャイナプラス1"政策は日本政府が後発発展途上国に対して原産地規則を緩和したことと相まって、バングラデシュに追い風となった。

バングラデシュの衣料品製造業者は商品を日本に輸出する際、原材料を輸入しても関税免除の恩恵を受けることができる。政府が2009年に新市場開拓のため導入した財政刺激パッケージも日本への輸出を加速させた。

近年は衣料品だけでなく、関税免除や品質の良さのお陰で皮革製品や革靴の輸出も増えていると商業相。

日本はコックスバザール(Cox's Bazar)のマタバリ発電所建設に60億ドル(6621億円)を投資している。

「2国間の関係は非常に良いものです。両国の関係はこの先さらに強まるでしょう」
渡邊氏は間もなく日本に帰国する予定だ。

バングラデシュニュース/The Daily Star Aug 03 2017
http://www.thedailystar.net/business/fdi-apparel-be-allowed-special-economic-zones-tofail-1442701
翻訳:長谷川
#バングラデシュ #衣料品 #輸出 #日本 #チャイナプラス1 #FDI #経済特区