ロヒンギャ危機は経済に打撃

【The Daily Star】ロヒンギャ難民の流入により、バングラデシュの経済や全体の治安が圧力を受けている。民間シンクタンクの南アジア経済モデリングネットワーク(SANEM)が20日、言及した。

バングラデシュの今後の発展は、チッタゴン港や経済特区、深海港など、ミャンマーに非常に近いチッタゴン(Chittagong)や丘陵地帯の複数の重要なプロジェクトにかかっているという。

「ミャンマー間に摩擦が生じる可能性により、バングラデシュが東南アジア諸国と融合するために行っている取り組みが妨げられるかもしれない」
SANEMは最新の四半期経済レビューの中でこのように述べた。

バングラデシュの軍事費が上昇する可能性もあり、開発活動への影響が懸念される。

そのため、レビューではロヒンギャ危機に対処する上で賢明な外交戦略を取り、難民や支援、治安問題を適切に扱うよう求めている。レビューはザ・ウェストイン・ダッカで開かれた行事の中で、SANEMのセリム・ライハン業務執行取締役が発表した。

さらに、最近の米価上昇や雇用を伴わない経済成長、持続可能な開発目標(SDGs)についても触れた。最近の玄米価格は1年前よりも44%高いという。

「米価の高騰を抑えるためには、国内市場で米の供給を増やすことが必要だ」
SANEMはインドやカンボジア、ミャンマーから米を輸入する取り組みを強化すべきだとした。

公開市場販売では、米価は1キログラム当たり20タカ(27.9円)にすべきだという。

「買いだめに対しては、サプライチェーンを乱さないよう慎重な措置を取るべきだ」

SANEMはバングラデシュが雇用の伴わない成長のリスクにさらされていると指摘した。

雇用全体における工業や製造業の割合は、2013年から2016年にかけてバングラデシュで初めて減少した。

雇用創出は農業でマイナス、製造業でごく僅かのプラスだった一方、サービス部門では大きな創出があった。

これに対処するため、経済の多様化や労働集約型部門、生産性が高い部門の推進が必要だという。

レビューではSDGsについても触れた。

SANEMによる最新研究では、バングラデシュがSDGsを実現するために必要となる追加リソースは、2017年時点で国内総生産(GDP)の10%に相当し、2030年には24%になる可能性があるという。

「世界的なシナリオの変化を考慮すれば、バングラデシュはSDGsの資金拠出でさらに国内財源に頼る必要がある。これは間違いなく大きな困難だ」

単にリソースを創出するだけで機関や政府に関連する方面で適切な対処が行われなければ、SDGsの実現は保証されないことに留意することも重要だ。

「SDGs実現のためには途方もない努力と強い政治的貢献が必要だ」

Bangladesh News/The Daily Star Sep 21 2017
http://www.thedailystar.net/business/rohingya-crisis-take-toll-economy-sanem-1465144
翻訳:長谷川
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