しおれる花農家

しおれる花農家

【The Daily Star】あなたが南西部ゴドカリ村や近くのパニサラ村へ行ったなら、バラやチューベローズ、マリーゴールド、ガーベラ、グラディオラスが咲き誇っていることがよくわかるだろう。

だが、美しく咲き誇る花は大切にされることなく、捨てられる。

バングラデシュの5人を含む世界中の3万8千人以上の命を奪ったコロナウィルスの拡散を防ぐため、国内各地で閉鎖が続く中、花の需要は消えてしまった。

ダッカのシャウバグ(Shahbagh)地区で愛好家たちが飾る花輪の景色は、3月26日に出された政府の外出禁止令によって見られなくなった。

「私たちは、ハルタルなどの暴力を伴う政治的不安が続く中でも花を販売してきました。でも、こんな状況はこれまで経験したことがありません」
ガーベラ、グラジオラス、チューベローズを栽培するMd・ラフィクル・イスラムさん(50)は話す。

花卉産業は、コロナウイルスのパンデミックによって国内外の経済が停滞する中、先が見通せない困難さに直面する多くの産業の一つに過ぎない。

「まったく先が見えません。全能の神だけがこの先どうなるかを知っています」
イスラムさんは、病害虫から花を守り、多くの収穫を得るため、摘花作業をしながら話した。

毎日平均2千本のガーベラを収穫するイスラムさんは、先週、それらを捨てた。本来であれば、花は1日5千タカ(6607円)の収益をもたらす。

腐りやすい花を保存するのは容易ではない。イスラムさんなど国内2万人の花農家や商人らは呆然としている。

花卉商人協会のバブル・プロシャッド会長によると、3月20日以降、毎日1500万タカ(1982万円)の売上が消えているという。

バングラデシュの花卉栽培は、80年代、ジョショール(Jashore)県パニサラ(Panisara)で始まり、他県に広まった。

農業振興局によると、現在、2200から2300ヘクタールの畑で花卉栽培が行われているという。

農家はマリーゴールド、グラジオラス、チューベローズ、バラ、ガーベラ、菊など、主に9種類の花を栽培する。

データがないため市場規模は明らかではないが、関係者は、20億タカ(26.4億円)から150億タカ(198.2億円)の間ではないかと推定している。

パンデミックとそれに伴う経済的苦境は、花卉産業にとって最悪の巡り合わせとなった。

2月14日のバレンタインデー、2月21日の国際母語デー、3月26日の独立記念日、4月14日のボヘラ・ボイジャック(ベンガル暦新年)など、春は花屋の最盛期で、売り上げの大半を占めてきた。

「ボヘラ・ボイジャックのお祝いがないことが、現在、私たちの最大の問題となっています」
ジェナイダ(Jhenaidaha)県カリゴンジ(Kaliganj)の花農家ファズルル・ラーマンさんは話した。

ジョソール(Jashore)、チュアダンガ(Chuadanga)、ジョエナイダ(Jhenaidaha)県のほとんどの農家にとって、花卉栽培は主な収入源で、このままでは彼らが栽培を続ける精神的、経済的な力を奪うことになる。バングラデシュ花卉ソサイエティ(BFS)のMdアブドゥル・ラヒム会長は話した。

ダッカ郊外、シャバール(Savar)の花卉農家アフサル・ウディンさんは農園を閉めることになり、2人の正社員に休暇を与えた。
「他に方法はありません」
ウディンさんは労働者に名目賃金を与えることを検討しているという。

BFSのラヒム会長は政府に対し、花卉生産者を支援するよう強く求める。

「果物や野菜などの農産物は販売されています。しかし、花は生活必需品ではないと考えられているので、援助の手はありません。花卉産業従事者が生き残るため、政府は低コストローンを提供すべきです」

Bangladesh News/The Daily Star Apr 1 2020
https://www.thedailystar.net/business/news/flower-industry-wilting-1888333
翻訳:吉本

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