
【Financial Express】パンデミックが続く中、バングラデシュの7-8月期の経常収支は過去最高の黒字を計上した。
バングラデシュ銀行(BB)の統計によると、バングラデシュと他国の貿易・金融フローの指標である経常収支は、2020年8月末時点で33億ドル(3662.6億円)に増加した。
期間中、輸出は67億ドル(7436.1億円)を記録したが、輸入は74億ドル(8213億円)だった。
昨年同期は、輸出が66億ドル(7325.1億円)、輸入は12億ドル多いの86億ドル(9544.9億円)だった。
一方、7-8月期の海外在住バングラデシュ人労働者からの送金は、前年同期の30億ドル(3329.6億円)から16億ドル増え、46億ドル(5105.4億円)と大幅に増加した。
経常収支は、国境を越えた財やサービスの動き、投資や送金などの貨幣の流れから得られる収入の動きを追跡するものだ。
ある国がどれだけの資金を海外へ送り、どれだけの資金を海外から受け取っているかを示す、世界で最も広く使われる尺度である。
エコノミストによれば、コロナ禍は、バングラデシュやインドやパキスタンなどの多くの発展途上国への資本の流れを変えたという。
バングラデシュでは輸入量が激減した。輸出もまた、パンデミック当初の数カ月間は大幅に減少した。
しかし、製造業、とりわけ衣料品産業の貿易データは、V字回復が定着しつつあることを示唆しているという。
シンクタンク「バングラデシュ政策研究所(PRI)」の専務理事であるオーサン・H・マンスール博士は、バングラデシュの巨大な黒字は、輸入量の減少と相まって、より多くの送金が行われた結果だとした。
だが、バングラデシュには適度なマイナスの経常収支が必要だとする。
マンスール氏によれば、多くの発展途上国は、通常、低中所得国からの卒業に向けて、このような傾向を維持しているとしたが、一方で黒字は外貨準備の積み上げに役立っていると述べた。
さらに、バングラデシュ経済は持ち直しつつあるが、コロナ禍以前のレベルに達するには、少なくとも来年6月まで待たなければならないと補足した。
世界銀行ダッカ事務所の元主席エコノミストであるザヒド・フサイン博士は、経常収支の黒字は経済に消費や投資の需要がないことを示しているとし、この傾向は手放しでは喜べないとした。
「私の考えでは、内需の弱さと投資の遅れが黒字につながっているのです」
米国は何十年にもわたって経常収支の赤字が続いているが、これは主に輸入の増加によって引き起こされているという。
Bangladesh News/Financial Express Oct 4 2020
https://thefinancialexpress.com.bd/economy/bangladesh/bangladeshs-current-account-records-surplus-in-two-months-1601781631
翻訳:吉本