皮革製品が外国投資を呼込む

皮革製品が外国投資を呼込む

【The Daily Star】バングラデシュの皮革産業は、低い製造コスト、安価な原材料の入手、輸出時の貿易優遇措置の対象となっていることで、外国投資を呼び込むホットスポットとなりつつある。業界関係者はそう述べている。

日本や台湾、ベトナムからの新規投資家が、合弁事業への投資や自社設立のため、国内にある皮革製造業や履物メーカーに接触してきた。

クラストレザーの輸出奨励金は7.5%、皮革製品の輸出奨励金は15%だが、これもこの分野への外国直接投資(FDI)を引き寄せる主な要因だ。

クラストレザーとは、なめし後に乾燥させたが、まだ染色していない革のことを指す。

外国人投資家は、中間所得者の増加や急速な都市化によるライフスタイルの変化が皮革製品や履物の使用や販売を押し上げているため、バングラデシュの国内市場にも興味を持っているという。

現在、皮革製品や履物への投資総額は10億ドル(1110億円)以上で、国内投資家から7億ドル(777億円)、残りの3億ドル(333億円)は製造品の輸出に従事する外国人投資家からの投資となっている。

「外国からの投資の大半は、ドイツ、台湾、中国、インド、イタリアからです。最近、バングラデシュへの投資に興味を持つ外国人投資家から、多くの問い合わせを受けています」
バングラデシュ皮革製品・履物製造・輸出業者協会のサイフル・イスラム会長は述べた。

最近、政府がシャバール(Savar)なめし革工業団地(STIE)の2工場に独立した排水処理プラント(ETP)の設置を許可したことで、関心は急上昇した。

ピカード(Picard)バングラデシュの代表でもあるイスラム氏は、ETPの使用は世界基準に適合しているという。

豊富な原材料と安価な価格と相まって、外国人投資家は良好なビジネスの見通しが立っている。

STIEの中央設備の設置が遅れているため、政府はこれまでのところ、なめし革工場2社に独立したETPの建設を許可したと、イスラム氏は述べた。

現在、STIE内にある155工場のうち123工場が稼働している。

バングラデシュの輸出業者は、皮革ワーキンググループ(LWG)が設定した世界基準を十分に採用していないため、皮革製品の世界的な団体からのコンプライアンスや環境認証を取得できていない。

このため、彼らはコンプライアンスに準拠しない中国の工場に商品を販売し、国際標準よりも40%低い価格を受け入れるしかない状況だ。

バングラデシュなめし革協会(BTA)のMdシャヒーン・アーメド会長は、皮革産業に外国投資が入ってきたら、国内でなめされた生革の需要が増えるので、工場は確かに利益を得るだろうと述べた。

また、なめし革工場へ投資は、これまですべて国内からの投資だとした。

STIEの民間工場50社にETPが設置できれば、LWG認証の達成を通して、産業に実質的な利益をもたらすことができる。だが、これまでのところ、ETP建設が許可されたのは2社のみだと、アーメド氏は補足した。

さらに、政府当局によるSTIEでの民間ETPの監視の難しさについても懸念を表明した。

ダッカ大学開発研究科のMアブ・ユスフ教授も、この産業は外国投資によって大きな恩恵を受けると考えている1人だ。

バングラデシュは政府は、皮革製品の輸出目標を来年末までに30億ドル(3330億円)に修正した。外国投資があれば、目標達成は容易になる。これはベトナムがすでに証明しているという。

現在、ABCマートやアディダス、アルド、エスプリ、ヒューゴ・ボス、H&M、ケイト・スペード、Kマート、マイケル・コース、マークス&スペンサー、ナイキ、スティーブ・マデン、シアーズ、ティンバーランドなどの国際ブランドが、バングラデシュから皮革製品や履物を調達している。

Bangladesh News/The Daily Star Oct 13 2020
https://www.thedailystar.net/business/news/leather-turning-big-draw-foreign-investors-1977121
翻訳:吉本

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