ロングプールのシャトランジ

ロングプールのシャトランジ

【The Daily Star】地元商人によると、ロングプール(Rangpur)の手織物「シャトランジ(shatranji) 」産業は、コロナ禍による国内外の需要の落ち込みにより、生き残りに苦労しているという。

原材料価格の上昇もまた、生産者の事業継続を困難にしている。

シャトランジは幾何学模様が特徴で、敷物やプレスマット、カーペットなどの製品になる。

ロングプール県で産業に関与するのはおよそ5万人、そのうちの95%が女性だ。

歴史家によると、シャトランジは1830年以前、ロングプール県ショドル郡ピルプール(ニズベット)村だけで作られ、絨毯やタペストリーは裕福な家庭の装飾品として使われたという。

生産は英国統治領時代に盛んとなり、インドやスリランカ、インドネシア、タイ、マレーシアなど様々な国に出荷された。

チャルシー・シャトランジ&クラフトのMdマスダ・ラーマン社長によると、シャトランジは長年ニズベット村だけで作られてきたが、ピルガチャ(Pirgachha)やピルゴンジ(Pirganj)など他の郡に拡大したという。

さらに、ロングプール管区の4県ガイバンダ(Gaibandha)、クリグラム(Kurigram)、ラルモニルハット(Lalmonirhat)、ニルファマリ(Nilphamari)在住の女性グループが、起業家として訓練を受けて広がった。

ラーマン氏の工場では約150人の女性が働いているという。

「国内需要だけでは生き残れないので、国際市場へのアクセスを増やしてほしい」
ラーマン氏は政府に要望する。

一方、シャトランジの原材料価格は、過去2年間で倍増しており、そのため製品価格も上昇する。

「もしそうなれば、顧客はさらに落胆し、離れていってしまうかもしれません」

最近ニズベッド村を訪問した記者は、フロアマットやタペストリー、カーペットなど、様々な種類のシャトランジ製品の展示を見た。ハンドバッグでさえ、手頃価格で売られていた。

この地域では工場以外にも、多くの女性が自宅でシャトランジ製品を作っている。

ニズベット村のアズミラ・カトゥンさんは、10年前からシャトランジ産業に関わっている。現在、2.5フィートのシャトランジ製品を4枚織るのに少なくとも3日かかり、145タカ(192円)の賃金を受け取る。

「家事の合間に織っていますが、月2千タカ(2643円)の収入を得ることはかなり難しいです」
カトゥンさんは、手間賃は他の仕事の方が高いので、多くの女性がシャトランジから離れていったと補足した。

同村のアイーシャ・カトゥンさん(60)は、結婚した80年代後半にニズベット村へ来てから、ずっとシャトランジ産業に関わっているという。
「しかし、賃金は決して十分ではありません。この仕事を続けるのは厳しいです。そのため、女性はこの仕事に興味を持たないでしょう」

シャトランジ産業には、バングラデシュ小規模家内工業公社(BSCIC)が主催する2カ月間の訓練コースに参加することで、簡単に就職できる。

BSCICは毎年、多くの女性に訓練を実施してきたが、今はコロナ禍のため、行われていない。

ロングプールBSCIC事務所のファルク・ホサイン講師によると、過去3年間で少なくとも600人(主に女性)がシャトランジの訓練を受けたが、現在は中断していると話した。

ロングプール商工会議所のモスタファ・アザド・チョードリー・チトゥ会長は、この産業の小規模投資家にとって、金融へのアクセスがもう一つの大きな課題だと話す。

そのため、関連する起業家、特に女性に簡単な融資を行えるよう国有銀行に働きかけたという。

シャトランジ製品の需要は国内、国際市場の両方にあるが、多くの大規模工場は、新型コロナの影響ですでに市場を失ってしまった。

「彼らは今、値引きをしながら製品を販売しています」
チトゥ氏は、欧州の様々な国にシャトランジ製品の大きな市場があるが、コロナ禍で注文はキャンセルされていると話した。

Bangladesh News/The Daily Star Feb 23 2021
https://www.thedailystar.net/business/news/rangpurs-shatranji-industry-near-the-end-its-rope-2049593
翻訳編集:吉本

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