
【The Daily Star】国際通貨基金(IMF)は、バングラデシュの2021年の経済成長率予測を10月に発表した4.4%から5%へ引き上げた。
ワシントンを拠点とする多国間金融機関IMFは、6日に発表した世界経済見通しで予測を発表した。
2022年は国内総生産(GDP)が7.5%拡大し、高成長軌道に戻ると予測した。また、2026年のGDP成長率は7.2%となるとした。
一方、専門家は、国内では新型コロナウイルス感染が新たに急増し、政府は5日から集団移動の制限や企業の閉鎖など厳しい封じ込め措置を取らざるを得なくなっているため、より高いGDP成長率はまだ不透明だとした。
世界銀行(WB)ダッカ事務所の元主任エコノミスト、ザヒド・フセイン氏によると、IMFが世界の予測を上方修正したのは、主に世界中でワクチン接種プログラムが進展したためだとする。
「しかし報告書発表の1カ月前の数字で予測するため、コロナウイルス感染の最新の急増は考慮していません」
2021年後半に外需が回復すると予想されていたため、IMFの予測は新型コロナウイルス感染者の急増や混乱がなければ、非常に妥当なものだったとフセイン氏。
「問題は全国でロックダウンが行われ、感染者が急増していることです。そのため、不確実性が強まっています」
バングラデシュでは外需に比べて内需、特に個人消費支出が経済の大きな構成要素となっている。
「市民が購買活動を開始したことで、個人消費支出が回復していました。しかし、再び後退することになるでしょう」
WBは3月31日、バングラデシュのGDPが3つの要因を条件に、2020-21会計年度に5.6%の高い成長を遂げると予測した。
「南アジア経済フォーカス2021年春南アジアのワクチン接種」報告書でWBは、現在行われているワクチン接種キャンペーンがどう進展するか、移動に新たな制限が必要になるか、世界経済がどのくらいの速さで回復するかによって、予測される成長率は変わってくるとした。
バングラデシュは政府の新型コロナウィルス回復プログラムが迅速に実施されれば、緩やかな回復が続くと予測した。
IMFの2021年予測では、インドは12.5%、スリランカは4%、ネパールは2.9%、パキスタンは1.5%の成長が見込まれている。
また、パンデミックの進行で不確実性は高いものの、この健康及び経済危機を脱する方法は次第に見えてきたとした。
「科学界の創意工夫により、感染症の重症度や頻度を下げることができる複数のワクチンがある。並行して、パンデミック生活への適応により、世界経済は全体的な流動性が抑えられているにもかかわらず順調に推移し、平均して予想以上に強い回復を見せている」
IMFは2021年と2022年の世界経済の回復を前回の予測より高くし、それぞれ6%と4.4%の成長率になるとした。
だが、国によって回復のスピードに差があることや、危機による経済的ダメージが続く可能性があるなど、困難な課題を抱えている。
Bangladesh News/The Daily Star Apr 7 2021
https://www.thedailystar.net/business/news/imf-lifts-gdp-growth-forecast-5pc-2073401
翻訳編集:吉本