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【The Daily Star】インフレ率の急上昇で預金者が銀行に預けている貯蓄に損失が発生、利息収入に頼っている多くの市民が窮地に立たされている。
8月、バングラデシュのインフレ率は10年ぶりの高水準となる9.52%に急上昇、9月はやや下がって9.10%となった。
一方、銀行が提供する全種類の預金の金利に基づいて計算される8月の加重平均預金金利は4.07%だった。インフレ率が9.52%だったため、実質金利はマイナス5.45%だったということになる。
バングラデシュ銀行(BB)は毎月、預金者の加重平均預金金利を発表しているが、9月のデータはまだ公表していない。
本紙の取材に対して多くの銀行関係者は、インフレ率の高さから預金者はすでに銀行から離れており、生活費の上昇に対処するために貯蓄を切り崩すことを余儀なくされていると述べた。
BBのデータによると、昨年6月に13.80%だった銀行の預金増加率は、今年6月に9.35%に低下した。
ダッカ市モハマドプール地区の学校教師シャムスン・ナハー・リタさんは、ほとんどすべての商品価格が大幅に上昇したが、預金からの収益は変わらなかったという。
彼女は現在、民間銀行に50万タカ(72.2万円)の定期預金を預け、6%程度の金利を得ている。
「ここ数カ月の商品の値上がりを考えると、銀行に預けている預金の損失に直面しています。でも、他に選択肢がないのです」
政策対話センターの著名研究者であるデバプリヤ・バッタチャリャ氏は、中央銀行(BB)は政府の決定に従って2020年4月に上限とした貸出金利9%を撤回するか、緩和すべきだと述べた。
銀行は預金者の資金から借り手に融資を行うため、貸出金利の上限があると預金者に6%以上の金利を提供することができない。
上限が設定された当時はインフレは懸念事項ではなかったとデバプリヤ氏。BBは通常、インフレを抑制するために市場から資金を吸い上げるが、現在の状況は全く異なっており、大多数の銀行が流動性不足に直面しているとした。
また、金利引き上げが銀行の預金を押し上げることはないかもしれないが、必需品の購入が少しは容易になると述べ、BBが貸出金利の上限を撤廃すれば、銀行は預金金利を引き上げることができるとした。
スタンダード・チャータード銀行バングラデシュのナザー・イザズ・ビジョイ最高経営責任者は、BBが消費者ローンの金利を緩和すれば、金融機関は預金者に高い金利を提供する余地が生まれると述べた。
貸出金利の上限について、バングラデシュ政策研究所のオーサンHマンスール所長は、インフレの急上昇によってBBが撤回せざるを得なくなる可能性があるとした。
[インフレ抑制のためのBBの努力]
BBは9月29日、インフレ圧力に対処するため、基準金利(政策金利)を25ベーシスポイント引き上げ、5.75%とした。
これは5月29日以来3回目の引き上げで、BB側としては前例のない動きとなった。
政策金利は現先取引(レポ)とも呼ばれ、商業銀行が融資と預金の両方の金利を決定する際に従う極めて重要な基準である。
この金利を参考に、資金繰りに困った銀行はBBから短期融資を受け、借り手に分配する。
だが、エコノミストたちは、貸出金利の上限を撤廃しない限り、BBの努力はインフレ抑制に何のプラスも生まないとし、レポ金利の引き上げは銀行にとっては資金コストがアップするものの、貸し出しに上限があるため、エンドユーザーには何の影響も与えないと述べた。
Bangladesh News/The Daily Star Oct 13 2022
https://www.thedailystar.net/news/bangladesh/news/surging-inflation-savers-tight-spot-3141171
翻訳編集:吉本