「これはイスラエル政府に対する抗議だ」

「これはイスラエル政府に対する抗議だ」
[The Daily Star]グランドマスターのエナムル・ホセイン・ラジブ氏は昨日、イスラエルによるガザ地区とパレスチナ占領地への攻撃継続と、チェスの世界統括団体であるFIDEが維持している二重基準に抗議し、バングラデシュ対イスラエルのチェス・オリンピックの試合をボイコットした。

これまでの5人のバングラデシュ人GMの中で最年少のラジブは、少し前に抽選が行われたオープン部門の第10ラウンドと最終ラウンドの4人の出場者の1人としてバングラデシュ代表団から指名された後、金曜日の夜にフェイスブックへの投稿で宣言した。

「ロシアとベラルーシは、2024年のハンガリーチェスオリンピックと2022年のチェンナイチェスオリンピックにチームとして参加できなかった。では、現状でイスラエルがどうやって参加できるというのか?明日は彼らと試合をする。私はボイコットする」と、ラズィブはハッシュタグをつけてフェイスブックに投稿した。 第9ラウンド終了時点で75位だったバングラデシュ男子チームは、最終的にIMファハド・ラーマン、FMマノン・レザ・ニール、FMタフシン・タジワル・ジアの3選手のみとなり、チームのもう1人の選手であるGMニアズ・ムルシェドは同ラウンドで休養した。

昨年10月7日にイスラエルで行われたコンサートに対するハマスの攻撃を受けて、イスラエルの政策に対してイスラエルと外交関係を持たないバングラデシュだけでなくイスラム世界全体でも憤りが広がっている。イスラエルの報復により、ガザ地区と占領地で4万人以上の命が奪われている。

イスラム世界のアスリートやチームは数十年にわたり、さまざまな国際スポーツの場でイスラエルのアスリートとの試合を散発的にボイコットしてきたが、国際大会でイスラエルのチームと対戦する機会がほとんどないバングラデシュにとっては、これは特異なケースだ。

ラジブ氏は昨日デイリー・スター紙のインタビューで、この立場の背後にある理由を説明した。

「イスラエルの人々に恨みはない。彼らは良い人々だし、個人的には彼らと対戦できる」とラジブ氏は第45回チェス・オリンピックが開催されているブダペストから電話で語った。

「しかし、私はイスラエル政府と、同政府がパレスチナ人に対して行っている残虐行為に反対だ。だから、現状ではイスラエルのチームと対戦したくない」と44歳のグランドマスターは語った。

ラジブ氏は、これまでイスラエルの相手と何度も対戦しており、バングラデシュも1996年にチェスオリンピックでイスラエルと対戦したことがあると語った。しかし、同氏が抗議しているのは、現在の状況とFIDEの二重基準である。

「ロシア・ウクライナ戦争が始まって以来、FIDEはロシアとベラルーシが自国の旗の下でプレーすることを禁止している。ロシア人とベラルーシ人はFIDEチームの一員としてのみプレーすることが許されている。では、イスラエルがパレスチナを占領し、パレスチナ人に恐怖を解き放っているときに、なぜFIDEはイスラエルがチームとしてプレーすることを許可するのか?」とラジブ氏は疑問を呈した。

連絡を受けたバングラデシュチェス連盟のシャハブディン・シャミム事務局長は、ラジブ氏に決断を再考するよう説得しようとしたが、無駄だったと語った。

ラジブ氏は、自分が不参加になった場合に起こり得る結果は認識していたが、それは自分が取らなければならない道徳的立場だと感じたと述べた。

「私は、自分が絶頂期にあった頃、バングラデシュのチェスの現状に抗議してキャリアを危険にさらした。だから、自分が強く感じていることに対して抗議することを躊躇するつもりはない」とラジブ氏は述べた。「私の行動に対してFIDEから何らかの罰が下されるかもしれないことは承知しているが、それを受け入れるつもりだ」


Bangladesh News/The Daily Star 20240922
https://www.thedailystar.net/chess/news/protest-against-the-israeli-government-3708506