[Financial Express]ブリュッセル、11月6日(ロイター):欧州連合(EU)は、米国の関税やその他の貿易上の脅威の再開、さらに中国への対応をめぐる厳しい交渉に備える中で、ドナルド・トランプ大統領のホワイトハウス復帰をなだめるための選択肢を検討している。
トランプ大統領は米大統領選での勝利の直前、EU27カ国は米国からの輸出品を十分に購入しなければ「大きな代償を払わなければならない」と警告した。
EU当局者らは、米国からの輸入品すべてに10%、中国からの輸入品に60%の関税を課すという脅しは単なる選挙運動のレトリックではなく、信憑性があるとブリュッセルは認識していると述べた。
欧州委員会はすでに、EU全体と最も大きな打撃を受けるとみられる国々への影響のモデル化に着手している。その対象には、主要自動車生産国であるドイツや、EUで米国に2番目に大きな輸出国であるイタリアが含まれる可能性がある。
EU外交官らによると、一部の政府は公の場では慎重だったものの、選挙を前に不安を表明したという。
EU製品への関税がEU経済の低迷に直接的な打撃を与えることに加え、米国に対する障壁が事実上高まっている中国の生産者が欧州への輸出を増やす可能性があり、EUは二次的な打撃を受ける可能性がある。
トランプ大統領が2018年にEUの鉄鋼に関税を課したことを受けて、EUは自国市場への無関税の鉄鋼輸入を制限するセーフガード措置を導入した。しかし、この措置は2026年6月に期限切れとなる予定で、EUやWTOの規則では延長は不可能である。
EUはトランプ政権発足前に次期政権との接触を図り、関税の脅威を緩和、あるいは撤廃できるような将来の協力分野についてすでに検討を始めている。
可能性のある分野の一つは液化天然ガス(LNG)であり、EUはトランプ大統領を悩ませている貿易赤字を緩和するために米国からLNGの輸入を増やすことができるだろう。
2018年、トランプ大統領と当時のEU執行委員長ジャン=クロード・ユンケル氏は、EUが米国産LNGの輸入拡大を希望する旨を盛り込んだ協定に合意した。これにより、鉄鋼とアルミニウム以外のEU製品への新たな関税を回避することができた。EUはトランプ大統領が再びビジネスを行える大統領であることを証明してくれることを期待している。
EU当局は、特にロシアのウクライナ侵攻後、エネルギー供給の多様化を目的としたEUへの投資は、米国からのLNG流入増加につながる可能性があると考えている。
EUの一部外交官は、米国が政策を強硬にするとみられる中国が、新たな協力分野になる可能性を示唆しているが、EUは世界貿易ルールを守り「リスク回避」はしたいが中国との分離は望んでいないため、協議は困難になるだろう。
トランプ大統領の就任は、緩やかな経済成長の中で高齢化が進む人口に対する福祉支出をどう賄うかという長期的な課題に直面している欧州にとって、他の大きな影響を及ぼす。
トランプ大統領がNATO軍事同盟とウクライナ戦争への支援を削減すれば、欧州各国政府は、すでにGDPの90%近くに達する国家債務水準によって逼迫している予算から、防衛費の増額を賄わなければならなくなるだろう。
トランプ大統領の提案が施行されれば、欧州の成長は圧迫され、特に長期にわたる産業不況に苦しんでいる製造業が人員削減を始めれば、インフレは低下する可能性が高い。
Bangladesh News/Financial Express 20241107
https://today.thefinancialexpress.com.bd/stock-corporate/facing-tariff-threat-europe-eyes-options-to-appease-trump-1730916517/?date=07-11-2024
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