メルツ、大西洋横断関係の変化を示唆

[Financial Express]ベルリン、2月24日(BBC):ドイツの次期首相フリードリヒ・メルツ氏は、日曜日に行われた同国の選挙の最終結果を待たずに、ヨーロッパの新時代の到来を告げた。米国はこの大陸の運命に無関心であると断言し、NATOの将来に疑問を呈し、ヨーロッパが自らの防衛力を早急に強化するよう要求した。

米国の緊密な同盟国、そして熱烈な大西洋主義者として知られるフリードリヒ・メルツ氏からのこのような口調は、ほんの数ヶ月前でさえ想像もできなかっただろう。

これは大きな変化です。誇張のように聞こえるかもしれませんが、大西洋横断関係に関して私たちが今経験していることは、第二次世界大戦終結後の80年間で前例のないことです。

トランプ政権は1945年以来ヨーロッパに対して保証されてきた安全保障を撤回する可能性を示唆しており、ヨーロッパの大国は心底衝撃を受けている。

「テレビ番組でこのようなことを言うことになるとは思ってもみなかったが、先週のドナルド・トランプ氏の発言の後、この政府はヨーロッパの運命をあまり気にしていないのは明らかだ」とフリードリヒ・メルツ氏は日曜の選挙後の討論会で語った。

「私の絶対的な優先事項は、できるだけ早くヨーロッパを強化し、段階的に米国からの独立を実際に達成できるようにすることだ」と彼は付け加えた。

メルツ氏は、この取り組みがあまりにも緊急であるため、6月に首脳会談に集まる大西洋横断同盟国の首脳らが「現在の形態のNATOについて引き続き話し合うのか、それとももっと迅速に独立した欧州防衛力を確立しなければならないのか」については確信が持てないと示唆した。

重要なのは、次期首相がドナルド・トランプ氏のアメリカを、広く欧州に対する安全保障上の脅威とみられているロシアと同等に位置付けたことだ。メルツ氏は「我々は双方から非常に大きな圧力を受けているため、私の最優先事項は欧州の団結を実現することだ」と語った。

英国の首相は、月曜日のフランスのエマニュエル・マクロン大統領のワシントン訪問に続き、木曜日にワシントンに向かう。

フリードリヒ・メルツ氏は、間接的に、FOMO(取り残される恐怖)の感覚を認めている。同氏は、当然ながらドイツも今週はそこにいるべきだと言う。ベルリンは、フランス、英国と並んで、欧州の3大国の一つだ。

そして、米国とロシアがウクライナについては二国間で協議しているが、ウクライナについては協議していないことから、世界は大国政治に戻ったように感じられる。

しかし、ドイツはヨーロッパや世界の舞台でかなり長い間行方不明になっている。この国で退陣する政府は、内部の激しい争いで弱体化し、混乱していた。これは、経済と移民問題に早急に焦点を合わせることを望んでいたドイツの有権者と、ロシア、安全保障、防衛に関する行動を求めるヨーロッパの同盟国を激怒させた。

メルツ氏は、ドイツにとっての最優先事項は国際社会への復帰だと語る。ドイツはすでに米国に次いでウクライナに対する第2位の軍事援助国となっている。

メルツ氏は支援を継続したいと考えているが、フランスや英国とは異なり、ウクライナでの最終的な停戦を支援するために兵士を派遣するという考えには慎重な姿勢を示している。

しかし、ドイツのこれまでの実績からすると、ドイツはウクライナ支援のあらゆる段階で消極的だったが、それにもかかわらず、結局はヨーロッパの近隣諸国のどれよりも多くの援助を提供してきた。今「ノー」だからといって、ウクライナに軍隊を派遣したり、ヨーロッパの「安心感を与える部隊」がどのような形であれ参加することに対して永遠に「ノー」というわけではない。

今のところ、ドイツ人が最も心配しているのは、自国に駐留し、自分たちに安全を感じさせてくれる3万5000人のアメリカ兵だ。

選挙の時期に外交政策が有権者の最大の関心事となるのは極めて異例だ。しかし今週末のドイツでは、経済や移民問題と並んで、ヨーロッパの平和を心配し、非常に不安を感じている有権者が続出した。

昨年11月、ドイツ内務省は民間人の緊急避難場所となり得る地下壕のリストを作成中であると発表していた。ウクライナは遠いかもしれないが、ドイツ人は2つの理由からロシアから大きな危険にさらされていると感じている。


Bangladesh News/Financial Express 20250225
https://today.thefinancialexpress.com.bd/world/merz-signals-shift-in-transatlantic-ties-1740409672/?date=25-02-2025