胸に膿があると命に関わるかもしれません!

胸に膿があると命に関わるかもしれません!
[The Daily Star]多くの発展途上国では、何千人もの人々が、医学的には胸部膿胸と呼ばれる、肺の周囲に膿が溜まる命に関わる病気に、気づかないうちに苦しんでいます。この病気は、認知度の低さ、診断の遅れ、そして適切な治療の欠如により、しばしば不可逆的な肺損傷や死に至ります。

見分け方:胸の中に膿がある患者は、典型的には、夕方に悪化する長引く発熱、過度の発汗、痰がほとんど出ない、あるいは全く出ない咳の衝動、そして鋭い胸痛(特に患側)を経験します。肺炎や胸部外傷から最近回復したばかりなのに、数週間経っても咳と発熱が続く場合は、症状を放置しないでください。

胸部X線検査(できれば立位)を行い、肺に液体が溜まっているか、白化していないかを確認します。膿の貯留が疑われる場合は、胸部超音波検査が次のステップです。液体や膿の存在と量を確認し、適切な治療計画を立てるのに役立ちます。

原因は何ですか?最も一般的な原因は感染症、特に肺炎や結核です。これらの感染症は胸膜腔(肺と胸壁の間の領域)に液体の蓄積を引き起こします。液体が速やかに治療されない場合、感染を起こして膿に変わる可能性があります。

特に、発展途上国では結核(TB)が大きな問題となっています。結核によって500ミリリットル以上の体液が溜まり、適切に排出されない場合、膿に変化するリスクが高まります。

事故による内出血を伴う胸部損傷も、血液の排出が遅れると膿瘍の形成につながる可能性があります。まれな原因としては、肝膿瘍の胸腔内への破裂、食道の損傷または穿孔、脊椎感染症の合併症、肺手術による気管支胸膜瘻(BPF)(肺から胸部に膿が漏れる重篤な合併症)などが挙げられます。

胸に膿が溜まっていると疑われる場合はどうすればよいでしょうか?まずは胸部外科医または胸部外科医に相談してください。一般医や小児科医は、この症状を効果的に管理する専門知識を持っていない可能性があり、対応が遅れると肺が虚脱したり、永久的な損傷を受けたりする恐れがあります。

治療戦略:早期発見であれば、胸腔チューブを挿入して膿を排出することができます。ストレプトキナーゼやウロキナーゼなどの薬剤を用いて、膿を閉じ込めている内部の壁を溶解する(線溶療法)こともあります。この処置が奏効しない場合は、胸腔鏡を用いた低侵襲手術で内部の壁を破壊し、適切な排液を可能にする必要があります。

慢性化したり放置されたりした場合は、膿胸剥離術と呼ばれる開胸手術が必要になります。この手術では、肺を圧迫している厚い膿の層と線維組織を除去し、肺が再び膨張して機能を取り戻せるようにします。

不適切な処置を避ける:特に小児の場合、数日間にわたって細い針や細いチューブを使用すると、膿の排出が不十分になるという大きな懸念があります。膿が完全に除去されないと、持続感染やBPF(膿瘍性大腸炎)を引き起こし、症状を悪化させる可能性があります。

最後のアドバイス:胸部膿胸は予防と治療が可能です。ただし、早期に診断され、専門医の治療を受けた場合に限ります。肺炎や結核の発症後、数週間以上発熱、咳、胸痛が続く場合は、画像検査を受け、すぐに胸部外科医に相談してください。迅速な対応が肺と命を救う可能性があります。

筆者は、ニューデリーのサリタ・ヴィハールにあるインドラプラスタ・アポロ病院の上級胸部・心臓血管外科医です。メールアドレス:drpandeykk@gmail.com


Bangladesh News/The Daily Star 20250622
https://www.thedailystar.net/health/healthcare/news/pus-the-chest-may-cost-you-your-life-3922441