フィードとフィルター

フィードとフィルター
[The Daily Star]ミラは割れた携帯電話の電源ボタンを親指で押した。画面がちらつく。バッテリー残量2%。彼女は鋭く息を吐き出し、充電器に飛びつくと、ベッドサイドテーブルの上に散らかったものをひっくり返した。口紅の残り、油まみれのチーズパフの包み紙、そして「モンスーンブリーズ」と書かれたキャンドル。数週間も香りが消えていた。

ウッタラにある彼女の3階建てのアパートの外では、生活が動き回っている。人力車の鈴の音、重く湿った空気に響き渡るアスルのアザーン、そして通りから響く露天商の「ディム・パラーター、ゴロム・ゴロム!」という掛け声。しかし、ミラにはその声が聞こえない。彼女の心はどこか別の場所――厳選された場所、フィルターを通された場所へ漂っている。肌が輝き、笑顔が穏やかに輝き、孤独が画面の外に広がる場所。

「太陽にキスされて癒される」と彼女はつぶやいた。

彼女は冷蔵庫に貼られた未払いのウィーフィ料金について何も言わない。娘のアンニャとの朝食時の口論についても、何週間も両親に電話していないことについても。

そして彼らはそうする。フィルターを必要とせずに輝くダッカの空の下、クラクションを鳴らす人力車や、ジュージューと音を立てるチョラカートを通り過ぎて。

ハルーンザマンは翻訳家、小説家、詩人、研究者、エッセイストです。リビアとカタールで約12年間英語を教えたほか、バングラデシュ独立大学(IUB)で20年間、英語と文学を教えてきました。


Bangladesh News/The Daily Star 20250726
https://www.thedailystar.net/books-literature/fiction/news/the-feed-and-the-filter-3947891